鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉>>・
ほかの星座の物語を見る>>【蟹座(6/22〜7/22)】
用心深さを捨て去り心を開けば、人間関係がより深まる
蟹座の気質は、まるでその名にある「蟹」のよう。蟹の身は、月の満ち欠けに合わせて太ったりやせたりするといわれますが、外側の甲羅は硬く、その内側で起こっている変化をうかがい知ることはできません。
親しい友人や家族には屈託のない優しい顔を見せるけれど、それ以外の人に対しては用心深く心を閉ざし、防衛する姿を表します。
そんな蟹座の物語として思い出されるのは『眠り姫』。別名『いばら姫』とも呼ばれるこのグリム童話で、誕生祝いの席で呪いをかけられた王女は15歳のとき、糸車の錘(つむ)で指を刺し、100年の眠りについてしまいます。
トゲのあるいばらは、あなたの心に張り巡らされたバリア。嫌われたくない、傷つきたくないという思いが、あなたの本当の魅力を覆い隠してしまうのです。
100年ののち、いばらが生い茂る城に分け入り、王女の目を覚まさせてくれたのは理想の王子さまでしたが、今、あなたを目覚めさせるのは誰あろう、あなた自身です。
たとえ家族であっても、離れている期間が長いとつい素っ気なく接してしまいがちですが、自ら心を開き、親切に振舞うと、相手も笑顔を見せてくれるでしょう。
世話好きで朗らか、アットホームな空間を生み出せる蟹座の長所をいかんなく発揮し、幸福感に包まれた人間関係を築いていってください。
【眠り姫】
『眠れる森の美女』『いばら姫』とも呼ばれています。グリム童話のほか、ディズニー映画、フランスの作家ペローの翻訳本も有名。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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神話とおとぎ話はあなたへのメッセージ・
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魚座(うお座) 〔特集〕鏡リュウジと英国占術4人の巨匠たち 魔法と星の国「英国」へようこそ
鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。