鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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大胆で思いきった行動が、難関を乗りきる道を拓く
太陽を守護星に持つ華やかな星座、それが獅子座です。西洋占星術における太陽とは、心理学的にいえば「小さな自我」を超越した、本当の「自己」を表します。心理学者のユングが「自己表現」と呼んだものが、獅子座の自己を探し求めるプロセスそのものだといえるかもしれません。
自己を探す物語はいろいろありますが、太陽を象徴するものが登場する話としては、グリム童話の『かえるの王さま』が浮かびます。このお話は王女が黄金のまりを追いかけるところからスタート。黄金のまり、つまり輝く太陽のような自分を探す物語なのです。
人生においてドラマチックな展開を望むのは、獅子座の常。スペシャルな存在である人生の主役の身に起こることは、劇的であるはずですから。
けれど、この物語の中で王女は黄金のまりを取り戻すために好きでもないかえると食事をするなど我慢を重ね、最後には、かえるを壁に思いきり叩きつけてしまいます。
自分を見つけるために我慢や苦労が必要なことは事実ですが、話はそこで終わりません。呪いが解けてかえるは王子になります。最終的に王子の運命を変えたのは王女の大胆さであったのです。
誰といるときでも、自分自身を曲げると獅子座の輝きを損なってしまいます。この物語は、頭で考えるより思いきった行動が人を助け、幸福をつかむのだと教えてくれているでしょう。
【かえるの王さま】
グリム兄弟による約200篇ほどある童話集の中で、1番目に掲載されている物語。初版では、王子の従者の話として描かれています。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。