鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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自分に厳しい分、衝動的な面も。それが時に魅力となる
清廉潔白、完璧主義の星座とされることの多い乙女座。ストイックで倫理観が強い傾向はみられるのですが、肉体や感覚機能を表す星座グループの一つでもあるため、実はセクシャルな衝動や魔性といった側面も併せ持っています。
乙女座を示す記号(下)は女性の髪を表すといわれ、髪は古くから性的な意味を色濃く持つシンボル。
乙女座を示す記号 この髪が象徴的に現れる物語は、古代の神話である『リリス姫』です。
アダムの最初の妻であるリリスは、伝承の中で放埒で魔女的な存在として恐れられます。月夜にその美しい髪を梳(くしけず)りながら、呪文を唱えて夜な夜な男たちを誘惑する......そんな姿が描かれているのです。
表面的には自分を律し、自他ともに厳しくある乙女座は、人と向き合うとき、一筋縄ではいかない混乱した場に直面して、自らの心の内側に隠された衝動性に気づきます。白と黒、静と動、善と悪──。そんな言葉では割りきれない感情の渦が、自分の中にもあることに驚くのです。
しかしそれは悪いことではありません。常識や理性だけで物事を判断していたときと比べ、広い視野と懐の深さを兼ね備え、物事の陰にも目が行き届く魅力的な存在になれるはずですから。
リリスは、その手に乱れた髪を整える櫛を持っています。あなたも、人間関係が乱れたときは、自分だけの櫛を手に、心を整えていけるでしょう。
【リリス姫】
ユダヤの伝承の中にある物語。ユダヤ神秘主義の経典『ゾーハル』の中でも美しい髪を持つ女性として知られ、ゲーテの作品にも登場。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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神話とおとぎ話はあなたへのメッセージ・
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魚座(うお座) 〔特集〕鏡リュウジと英国占術4人の巨匠たち 魔法と星の国「英国」へようこそ
鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。