鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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相手とのよい距離感をつかんで、人間関係をスムーズに
蠍座は自分の本音を隠したがり、他人からは何を考えているかわかりづらいところのある星座です。
しかし、クールな表情の下には、ぐつぐつと音を立てるマグマのような情熱を秘めています。嫉妬深い、執念深いともいわれる蠍座ですが、その真意は「誰かと心の底からわかり合いたい」という思いがあるから。全身全霊で相手を愛し、信じたいという純粋さがなせるものなのです。
実際にはその性質はないとされていますが、かつて精神科医のフロイトが紹介した寓話に『ヤマアラシのジレンマ』というものがあります。
互いに仲よくなりたいと思っている2匹のヤマアラシが、温め合おうと近づくけれど、その体に生えたトゲで近づけず、お互いを傷つけてしまうというお話です。
相手と深くかかわり、だからこそ整理しきれない感情によって傷つけ合う経験をしやすい蠍座からすると、このお話は、胸に迫るものがあるのではないでしょうか。けれど、だからといってトゲの刺さらない距離では満足できないのも、あなた。
しかし、傷つくことがあるのは織り込みずみで相手の領域に踏み込みながらも、ときどきは距離をとってお互いを尊重する。そんなバランス感覚を磨けば、もっと気楽に接近できるようになるはず。
早めに相手とのよい距離感を見出せれば、心を許し合うまでの時間も、グッと短くできるでしょう。
【ヤマアラシのジレンマ】
ネイティブ・アメリカンの神話に由来。現在は心理学用語として用いられることが多く、人との距離感の測り方など、特殊な心理状況を表現。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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神話とおとぎ話はあなたへのメッセージ・
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鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。