エリザベス・ブルークのハーブ占星術
古代ギリシャの時代から、あらゆる植物を分類し、それを活用して体の健康とバランスを維持する療法が編み出されてきました。2023年は占星術の知識を得て、薬草のパワーを暮らしに取り入れてみませんか。それぞれのハーブが各星座にもたらす、神秘なる力をご紹介します。
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12星座別に健康&幸運を招くハーブを見る>>エリザベス・ブルーク薬草療法家・占星術家。英国メディカルハーバリスト資格取得。ロンドンにある占星術の教育機関「カンパニー・オブ・アストロロジャーズ」にて、医学占星術や数秘学の教鞭をとるほか、女性の健康と薬草療法に関する講義を行う。著書に『ハーブ占星術』などがある。4要素、7惑星、12星座に分類されるハーブの力
西洋占星術は、火、水、風、地の4つの要素(エレメント)と、12の星座、そして、肉眼で見ることのできる7つの惑星に基づいています。
火、水、風、地を支配する7つの惑星が体を司る「火」のエレメントを支配するのは、最も活動的な2つの惑星、太陽と火星で、その特性は、“乾”と“熱”です。
太陽は、私たちのバイタルスピリット(「気」に近い)を表し、持って生まれた生命力や、それを人生の中でどう保ち、また費やしていくのかを示します。太陽のハーブは、体の衰弱、気分の落ち込みなど、生命力が衰えている人に用いられます。太陽は、心臓、血の巡り、背骨を司るとされます。
火星は7惑星の中で最もエネルギーに満ちており、筋肉、赤血球、膀胱を司ります。火星は人がどれだけエネルギーを持っているかを示し、火星のハーブは感染を防いだり、体の免疫を高めたりする目的で用いられます。
「水」の惑星は月と金星で、その特性は“冷”と“湿”です。
月は周期的に満ち欠けすることから、女性の生殖にまつわる器官と能力、出産、人の初めての栄養摂取にかかわる乳房、母乳の分泌、その後の栄養摂取にかかわる胃を司ります。月はまた(金星とともに)体液のバランスや、免疫にかかわるリンパ系も支配します。
金星は腎臓、体内の水分バランスを司り、顔色、髪、美しさ全般を表します。また月とともに女性の性と生殖を司ります。
「風」の惑星は木星で、その特質は“熱”と“湿”です。
木星は体の成長、そして唯一再生が可能な臓器である肝臓を司ります。肝臓は体の防御システムの一部で、また消化酵素を作る器官でもあります。また木星は、消化のほか、肝臓を通って体内を巡る血管を支配し、高次の知性(higher mind 合理性を超えた知)を表すとされます。
「地」の惑星は土星と水星で、その特性は“冷”と“乾”です。
土星は、肉眼で見える惑星の中で最も遠くにあり、体の最も奥深い構造、つまり骨と骨格を司ります。これらは、脳、心臓、中枢神経といった重要で繊細な器官を包み込み、保護する存在です。土星は加齢、聴覚の衰え、皮膚疾患、多毛症や脱毛などを表します。
水星は、神経系統、呼吸、手、腕、肩などを支配し、日常的な思考、不安、憂鬱を表します。(次ページに続きます)
〔一覧〕7つの星とハーブの関係
地球上に育つ植物はどれもそれぞれ役割があり、すべての病に対する薬が自然界にあるといわれている。古代人は夜空を彩る惑星と、神秘的な力を持つ植物の力を見分け、分類してきた。それは、古代から伝わる人類の宝ともいえる。
●太陽
星座:獅子座
要素:火
器官:心臓
ハーブ:セントリー、カモミール、ジュニパー、カレンデュラ、ローズマリー
解説:太陽のハーブは肉体の本質的なエネルギーを支える。中国の「気」やサンスクリット語で呼吸や息吹を意味するインドの「プラーナ」にあたるエネルギーに作用する。
●金星
星座:牡牛座、天秤座
要素:水
器官:子宮、皮膚、髪、腎臓、咽
ハーブ:コルツフット、カウスリップ、エルダーフラワー、レディースマントル、マグワート、ペニーロイヤル、タイム
解説:金星のハーブは、生命力を与える力がある。個々の度合いは異なるが、どれも鎮痛、鎮静効果、穏やかな排泄、浄化作用が期待できる。
●月
星座:蟹座
要素:水
器官:胸、胃
ハーブ:チックウィード、クリーバー
解説:月のハーブの数は最も少ない。冷と湿の特性が強いため、強力なものは生命にとって有害になることもある。利用する月のハーブは粘液質で、体内の老廃物の排出を促す。
●木星
星座:射手座、魚座
要素:風
器官:肝臓
ハーブ:ダンディライオン、ヒソップ、リンデン、メドウスィート、メリッサ、レッドクローバー、セージ
解説:木星には物事を拡大する力があるが、木星のハーブは飲みすぎや食べすぎに対処する肝臓などに滋養を与え、強化する働きがある。
●火星
星座:牡牛座、蠍座
要素:火
器官:胆囊
ハーブ:ベアベリー、ジンジャー、ホーソン、ホップ、ネトル、チェストベリー、ワームウッド
解説:火星は接触するすべてのものを熱し、乾かす。火星のハーブは毒への対抗性があり、血液を浄化し、肉体の機能を活発にする。
●土星
星座:水瓶座、山羊座
要素:地
器官:脾臓
ハーブ:コンフリー、ホーステール、マーレイン、シェパーズパース
解説:土星のハーブは体液のバランスをとり、冷やして、乾かす作用がある。組織や分泌物を凝縮、凝固させる特質も。
●水星
星座:双子座、乙女座
要素:地
器官:肺、神経系
ハーブ:エレカンペーン、フェンネル、ラベンダー、リコリス、バレリアン
解説:水星のハーブは肺と神経系に作用し、心を安定させるといわれている。気分が大きく落ち込んでいるときには使わないように。
掲載したハーブについての注意点妊娠中・授乳中の女性、乳幼児や高齢者、疾患の治療で薬剤などを使用しているかたがハーブを治療目的で服用すると、思わぬ副作用が現れることがあります。必ず事前に医師と相談してください。