鏡リュウジさん(占星術研究家・翻訳家)
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佐々木優太さん(神社巡拝家)
「神道は西洋で再評価が進む“アニミズム”の一つ。占星術は西洋世界における稀有な多神教です」(鏡リュウジさん)「神社はコミュニティの一人一人が自らかかわることで神聖な場所になります」(佐々木優太さん)1万以上の神社を巡って気づいたこと
鏡 佐々木さんはなぜ、神社巡りをするようになったんですか。
鏡リュウジ占星術研究家・翻訳家。京都文教大学客員教授。英国占星術協会会員。国際基督教大学大学院修了。ポップな星占いから学術書の翻訳まで幅広く活躍。日本の占星術、占いのイメージを一新、牽引し続けている。著書に『占星術の文化誌』、『タロットの秘密』、訳書に『魂のコード』ほか多数。佐々木 26歳のある夜、なぜか「今すぐ伊勢神宮に行かなあかん」と思って、夜中に東京からバイクで伊勢へ行ったのがきっかけです。その後、神社を巡る中で、神主さんや地元のかたからお話を伺うようになったら、それが面白くて。参拝が生活の一部になりました。
佐々木優太(ささき・ゆうた)1984年兵庫県生まれ。ラジオパーソナリティをするかたわら、全国の神社を巡拝し、SNS等で発信。神社の歴史や文化への造詣も深く、講演活動も行っている。著書に『全国1万社を巡った僕が見つけた 開運! あやかり神社』。鏡 神社フィールドワークですね。
佐々木 まさにそんな感じで、興味の赴くままに参拝していました。転機になったのが、地方のショッピングモールで神社に関するトークライブをさせてもらったときのことです。
お客さんの中にとある親子がいらっしゃって、親御さんが「この子は生まれながら体が不自由で遠出ができません。でも、SNSで佐々木さんが全国の神社を巡っている動画を見ていると、自分たちも一緒に行った気になれるんです」と話してくださったんです。
鏡 それは嬉しいですね。
佐々木 はい。それからは、いろんな事情で神社に行けない人のことを思いながら参拝をし、情報を発信しています。