暮らしの中心にある 憧れの豪邸キッチン 第6回(全8回) キッチンを住まいの中心に据えたいというニーズが高まりを見せています。ここでは住まい手のライフスタイルに応じた今どきの豪邸キッチンのつくり方を実例を交えてご紹介します。
前回の記事はこちら>> キッチンとリビングは一緒にコーディネート
最近のもう一つの傾向としては、ご主人がキッチンに立つことが増えてきたという点です。そのため新築やリフォームの際には、二人で作業ができるように通路幅を広めに設計したり、ご主人専用のシンクやIHコンロをキッチンカウンターに設けたりするケースが少なくありません。
空間一体の“トータルコーディネート”。家族で過ごすためのダイニングキッチンは、テーブルのエッジや照明に用いたゴールドとバランスを取るように、壁面のモールディングもゴールド仕上げに。同じ空間にあるキッチンも、それらとの調和を考えシンクや水栓、キッチンドアの取っ手などにゴールドを採用。写真/ナカサ&パートナーズ 設計/utide・齊藤美紀 キッチン製作/ジクートキッチンはもはや作業場ではなく、気の置けない友人たちとの交流の場。その意味で住まいの最もよい場所に配置されるようになり、ダイニングやリビングの家具とも融合するようになっています。
「これまでリビングやキッチンは単体で考えていたのが、今ではトータルコーディネートとしてデザインするのが当たり前に。家具のようにキッチンをつくっています」(齊藤さん)。写真/ナカサ&パートナーズ 設計/utide・齊藤美紀 キッチン製作/ジクートキッチンのスタイルを問わず、開閉できる仕切りは重要
私たち専門家が住まいのプランを考えるとき、キッチンをダイニングに対してクローズドにしたいかオープンにしたいかを、プランニング初期の段階でお客さまに確認します。来客が多くダイニングがよりパブリックな位置付けの場合、クローズドを希望されることが少なくありません。
その場合はキッチンの中に家族用の食事スペースを設けたり、キッチンをファミリールームとダイニングの間に配置し、ファミリールームに対してオープンにするご提案をしています。
キッチンがパブリックな場所か、プライベートな場所かで、ダイニングとの関係性が変わってくると思います。また、オープンキッチンであっても調理のにおいを防ぐために、LDKの間に、引き込み戸を設けることもよくあります。
今、気になるキッチンショールームへ
アムスタイル東京
撮影/本誌・大見謝星斗洗練された“スタイル”が細部に宿る
オートクチュールキッチンデザインディレクターの清水克一郎さんが舞台制作から転身し立ち上げたキッチンブランド。オーダーキッチンという枠組みを超えて"アムスタイル"というスタイルを徹底して追求した、きめ細やかな仕上がりとデザイン性で建築家やインテリアのプロにも厚い支持を得ている。「空間の質を高めることが一流ブランドの役割と考え、家具ブランドの目線からキッチンをつくっています」と清水さん。自ら情報収集し、国内外の最新技術をいち早く取り入れている。アイディアが凝縮されたクリエイションがあるショールームでキッチンづくりのヒントを得られる。
●東京都渋谷区鉢山町13-13 ヒルサイドウエスト
TEL:03(5428)3533
営業時間:10時~18時(月曜定休、完全予約制)
トーヨーキッチンスタイル 東京ショールーム
岐阜の職人が手作業で仕上げる
長く美しく使えるステンレスキッチン1934年にステンレス刃物や洋食器を製造する「東洋食器製作所」として岐阜県関市で創業。“「住む」をエンターテインメント”を掲げて、キッチンを中心にインテリアとライフスタイルを提案する。人気の「ゼロ動線キッチン」に欠かせないのが、調理台とシンクが一体化した「パラレロシンク」。職人が1点ずつ削り出したシンクは、約90年にわたってステンレスに向き合い続けてきたからこそなせる逸品。東京ショールームには2フロアに10台以上のキッチンが家具や照明と合わせて展示され、生活空間を想像しながらプランニングできる。
●東京都港区南青山3-16-3
TEL:03(5771)1040
営業時間:11時~19時(祝日を除く水曜定休)
※2023年7月4日リニューアルオープン
取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。