新「軽井沢」で楽しむ夏 第4回(全25回) 古くから、文化人、芸術家、財界・学会などの知識人に愛され続けたこの地では、住民の見識・美意識が高く、“本物”しか残らない文化があるといわれます。本物の軽井沢文化を担う住み手の暮らしを追いながら、名門避暑地たる所以を探りました。
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一枚の絵との運命的な出会いから美術館を開いた
コレクター、荒れ地を切り開き森の音楽堂を作った
声楽家、テントサウナで自分流の“サ道”を愉しむサウナー。三者三様の「森の生活」をご紹介します。
サウナ文化
軽井沢で最近じわじわと広がっているのが“サウナ”。川上家では薪割りから始めてサウナを温め、地下水を水風呂にし、森の中で整う。「家族でサウナに入る時間がこの上ない幸せ」とシュンさん。発祥の地・フィンランドのように、大自然の中、家族の憩いの場として日々の暮らしにサウナがある。これが新しい軽井沢のスタイル。サウナで整う新・森の生活
川上シュンさん(アートディレクター)、ミホさん(料理家)ご夫妻サウナ7~10分、水風呂30秒、休憩5分×3セットがシュンさんのルーティン。「水風呂には地下水を使っていて、その水温は10度ほど。一気に整います」。いきなり裸のおつきあい。サウナのテント社交
4年ほど前から軽井沢と東京の二拠点生活を始めた川上さんご一家。娘のひのきちゃんの自由な遊び場を求めて本格的に移住したこの場所で、最近家族の最大の楽しみがサウナだといいます。
「きっかけは友人で建築家の谷尻誠さんに“サ道”の心得を教わったこと。初めてのサウナ体験から3か月後にはテントサウナを購入していました。それから毎日欠かさず入っています」とシュンさん。
はじめは抵抗があったというミホさんも、車移動が多く運動不足になりがちな軽井沢で、汗をかいてすっきりできると魅了され、プロ向けのサウナ資格も取得。
「夫が入った後、少し温度が下がった頃にアロマを加えて、美容と健康を兼ねて娘と一緒にゆるやかに楽しんでいます」。
サウナを目当てに東京から遊びに来るかたも多く、着いたら直行されることも。
「エンタメ要素もあり、健康のためにもなります。自宅のサウナなら人目を気にする必要もありません。軽井沢にはもともと誰かのテントに泊まりに行く社交があったそうですが、それがサウナで行われるようになり、新しい交友関係を築けています」。
谷尻さんデザインの水風呂も最近設置され、ますますサウナが生活とコミュニケーションの中心になっていくようです。
お気に入りの自転車で自宅前の“アドベンチャーコース”を駆け抜けるひのきちゃん。軽井沢では森が遊び場。左・サウナ後には焚き火が始まる。スペアリブとラム肉を焼くミホさん。右・ガラス戸から火が見えるサウナ用薪ストーブ。夏場は30分ほどで温まる。川上家のサ道の心得
“森のサウナ 川上”の別名で親しまれる川上家の4か条を伝授します。
〔特集〕新「軽井沢」で楽しむ夏
●『家庭画報』2023年8月号 “新「軽井沢」で楽しむ夏特集を記念し、特集内でご紹介した軽井沢コモングラウンズ内にある「軽井沢いぶる」のギフトセットが当たるプレゼントキャンペーンを開催中です。ぜひ、ご参加ください!
詳しくはこちら>>> 撮影/本誌・坂本正行
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。