“愛でる派”と“快適主義”。車好き夫妻の美しき住まい―茨城県 増子邸
スチール×ガラスのルーフが放射状に広がる車寄せは、美術館のエントランスのよう。複数のスーパーカーを所有する増子さんご夫妻は、日常的に使用する数台をここに駐車。ロータリースタイルなので乗り降りしやすく、公道に面して壁があり外部からも見えにくいため、気に入っているという。
設計/アーネストアーキテクツ(山中一行)端正な住まいには、増子さんご夫妻の美意識が凝縮されています。
特筆すべきが車。所有するのは、世界に95台しかないという「ランボルギーニ・アヴェンタドールロードスター」をはじめ、「マクラーレン」や「ポルシェ」、「レンジローバー」といったスーパーカーの数々。
子どもの送り迎えなどで毎日ポルシェを運転するという奥さまの佳代さんいわく、「日常的に使う車は車寄せに停めています。ロータリースタイルなので、方向転換せずに出られて、とても便利なんですよ」。
ともにシンプルモダンなインテリアが好きだというご夫妻。リビングダイニングの家具はミノッティ。キッチンハウスのキッチンは、幅や高さなどすべて奥さまに合わせたオーダーメイド。住まい全体がスタイリッシュに統一されている。一方、ご主人の秀典さんは常に眺めていたい一台を、自身の寝室とホームオフィスの間につくった特別なガレージに駐車。
ギャラリーのようなつくりで、日中は窓からの日差し、夜はスポットライトが流線型のボディを際立たせ、愛でる心を満たします。
ご主人のプライベートエリアに設置されたガレージ。この日停まっていたのは、「マクラーレン720S」。隣接する寝室のカーテンを開ければ、いつでも愛車を眺めることができる。また、ガレージの奥にあるガラス戸を開けると、ホームオフィスと一続きの空間に。オンタイムとオフタイムの両方で愛車との時間を楽しめるのが魅力。「まるで一つの部屋のように、室内との一体感がある点が気に入っています」と秀典さん。直線美を生かした住まいに愛車が美しく組み込まれた増子邸です。
照明が灯ると、端正で開放感溢れる住まいの美しさが、より際立つ。ガレージの正面には、建物と同程度の広さを持つ中庭が。趣ある落葉樹が季節感を演出するこの場所にも、ガレージと同色のタイルをセレクト。バスケットゴールや水場を設けた中庭は、子どもたちの安全な遊び場でもある。