日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント 第2回(全9回) 年間4000個もの贈り花を手がける「フルール トレモロ」は、暑い時期でもオーダーが途切れることがありません。それは日本各地から取り寄せた、夏ならではの魅力的な花が揃い、オーナーの藤野さんがナチュラルでエレガントなブーケやアレンジメントを作ってくれるから。住まいに飾るのはもとより誰かに贈りたくなる、素敵な夏の花あしらいをご紹介しましょう。
前回の記事はこちら>> この夏はこんな花を飾りたい
注目の5大花で住まいを彩る
夏は暑いからと、室内に花を飾ることを諦めているとしたら、もったいない!。今しか楽しめない旬の花を5種類(
エキナセア、
ヒマワリ、
ハス、
ジニア、
ダリア)を順にご紹介します。初めて出会う新顔の花も続々と登場、住まいに飾る花あしらいで、この夏は心を躍らせてみませんか。
01.素朴な庭の花がポップでキュートに大変身
エキナセア
《八重咲きのエキナセアを主役に夏のピンクを集めて》
ボール形をした繊細な八重咲きエキナセア2種類と、バラやスカビオサなどを合わせた愛らしいアレンジ。ごく淡いピンクのトルコギキョウが、爽やかな印象を呼び込む。使用花材 Aエキナセア“サザンベル”、B同“マーシャルポンポン”、Cトルコギキョウ“NFピンクフラッシュ”、Dスカビオサ“テマリマドカ”、Eバラ“シー アネモネ”、Fアメリカテマリシモツケ“ルテウス”、ユーカリ夏の庭花を代表する花の一つが、ムラサキバレンギクの和名でもおなじみのエキナセア。エキナセアといえば、ピンク色の大ぶりなマーガレットのような花形を連想しますが、最近では品種改良によって、さまざまな花形、花色が誕生し、年々バリエーションが豊かに。
特に切り花で人気があるのが、こんもりした花芯を強調させた品種や、繊細な八重咲き品種です。ピンクの濃淡や黄色、白と、かわいらしい花色が揃い、ぐっとポップで愛らしい花へと変身を遂げています。かつての庭花とは異なるボール状の花形は愛嬌たっぷり。ちょうど夏の間が、切り花でも出回り時期の盛りなので、ぜひお気に入りのエキナセアを主役に、新感覚の花アレンジを飾ってみてください。
《涼しげなレモン色のエキナセアが新鮮な印象!》
一見ポンポン咲きのマムのように見えますが、これはエキナセアの“レモンアイビュー”。花芯のグリーンからレモン色へのグラデーションがナチュラルで魅力的。リズミカルなエキナセアの引き立て役には、黄緑色と淡いピンクのケイトウを添えて。
使用花材 エキナセア“レモンアイビュー”、ケイトウ“アスカセレクト グリーン”“プティフルーツ マーメイドピンク”、豆軍配ナズナ、スノーフレークゼラニウム、ポリシャスこの花の明るい花色には、瑞々しいハーブの葉色がよく似合います。ミントやゼラニウムなどをたっぷりあしらうと、庭摘み花のような自然で愛らしい花アレンジに仕上がります。水揚げがよいことも魅力で、夏でも室内で長く楽しむことができます。
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「フルール トレモロ」藤野幸信さんの連載「365日の贈り花」 〔特集〕日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント(全9回)
写真/藤野幸信、横田秀樹 撮影/北恵けんじ 取材・文/高梨さゆみ
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。