日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント 第6回(全9回) 年間4000個もの贈り花を手がける「フルール トレモロ」は、暑い時期でもオーダーが途切れることがありません。それは日本各地から取り寄せた、夏ならではの魅力的な花が揃い、オーナーの藤野さんがナチュラルでエレガントなブーケやアレンジメントを作ってくれるから。住まいに飾るのはもとより誰かに贈りたくなる、素敵な夏の花あしらいをご紹介しましょう。
前回の記事はこちら>> この夏はこんな花を飾りたい
注目の5大花で住まいを彩る
夏は暑いからと、室内に花を飾ることを諦めているとしたら、もったいない!。今しか楽しめない旬の花を5種類(
エキナセア、
ヒマワリ、
ハス、
ジニア、
ダリア)を順にご紹介します。初めて出会う新顔の花も続々と登場、住まいに飾る花あしらいで、この夏は心を躍らせてみませんか。
05.瀟洒でエレガントなスター花へ転身を遂げた
ダリア
《ダリアとバラ。陰影が生み出す優美な世界》
花芯に向けて黒みを帯びるピンクのダリアは、夏でもクオリティの高い花を供給してくれる長野県「フラワーファーム沓掛」さんの生産。あでやかなピンクのバラと合わせ、陰影のある表情に。使用花材 Aダリア“ポリッシュキッス”、Bカーネーション“ユカリチェリー”、Cバラ“スイートイヴピアジェ”、Dつぼみガーベラ“ガーデンゴースト”、Eベニスモモ“ファスティギアータ”、ユーカリ日本はダリアの育種において、世界でもトップクラスなことをご存じですか。これほど豊富な品種が、切り花で出回る国はほかにはなく、それも世界的にその名を知られる秋田在住の育種家・鷲澤幸治さんのお陰であることは間違いありません。鷲澤さんが生み出した、黒赤のダリア“黒蝶”は、今や世界的にも人気の品種となっています。
庭で咲くダリアは、盛夏には一時花を休みますが、切り花のダリアは、夏はもちろん冬でも出回ります。これは生産者さんが連携して夏は北から、冬は南からと、列島をリレーしながら出荷をしてくれるようになったお陰でもあります。
《ピンクと白のダリアの共演は、思いがけなくクールな印象》
ダリアには透明感のある花色もあり、リーフのボリュームを多めにすると涼しげな印象に。その間に加えたのは、この時期にも入手できるクリスマスローズ。
使用花材 ダリア“ローズクオーツ”“イエロークオーツ”“ピンククオーツ”、クリスマスローズ“マグニフィセントベルズ”、アップルミント、銀葉アカシアうちでは夏のダリアは、北海道と長野県小県郡青木村から取り寄せています。暑い最中でもしっかり仕立てられたダリアは夏バテ知らず。アレンジしたあともだれることなく、凜とした姿をキープしてくれます。ダリアが加わるとブーケもアレンジメントもより印象強くなり、ブーケ全体の雰囲気が締まる貴重な存在です。
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「フルール トレモロ」藤野幸信さんの連載「365日の贈り花」 〔特集〕日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント(全9回)
写真/藤野幸信 撮影/北恵けんじ 取材・文/高梨さゆみ
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。