料理のプロ23人が選んだ華麗なるキッチンツール 第2回(全12回) 道具が変われば食が変わる──家で食事をする機会が圧倒的に増えた今、いかにおいしく、いかに楽しく調理するかが、これまで以上に大切になってきています。日本の食卓シーンを牽引する食まわりのプロのかたに、その見識と体験を生かして、今おすすめのキッチンツールを選んでいただきました。
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切ったり、混ぜたり、おろしたり
“料理のプロ”が選んでくれたキッチンツールは、「使える、楽しむ、見せる」が揃った、キッチンに立つことが楽しくなるものでした。ここでは、料理の「楽しさ」と「美味」を支える、新しいおもてなしの形を見ることができます。
1・繊維まで断ち切るおろし金木工用ヤスリから着想し誕生。食材をつぶさず切れ味は抜群。「レモン、ゆず、チョコレート、チーズ生姜など細かくすりおろせます」。(料理・菓子研究家 本間節子さん選)プレミアムシリーズ ゼスターグレーター(約長さ31.8×幅3.5センチ)3000円/マイクロプレイン(池商)
2・卓上にも美しく映えるおろし金「テーブルに置いたまま大根もしょうがもおろせるのでとても便利。目立てもきちんとしていて、すりやすさが抜群」。(料理研究家 馬場香織さん選)EAトCO Oros グレーター(約長さ20×幅4.5センチ)2000円/イイトコ(ヨシカワ)
3・1回分をきれいにすくえる取り分けスプーン「すべて京都の職人の手仕事により丁寧に手打ちされた凹凸は温かみがあり、アルミの銀鼠色は料理の色とも調和します」。(料理研究家 大田ゆう子さん選)アルミ製取り分けスプーン(全長約24.5センチ)2600円/鍛金工房 WESTSIDE33
4・柳 宗理デザインの穴あきトングつかみ部分が丸いため食材を優しくつかめ、調理器具も傷つけにくい。「混ぜる、揚げる、取り分けるすべてに使える永遠の定番です」。(中国料理研究家 馬 衣真さん選)ステンレストング(長さ約21.5センチ)2000円/池商
5・シュラスコ文化が生んだブラックナイフ「ブラジルの肉文化シュラスコが生み出したナイフセットはスマートフォンの半分という超軽量で硬質。食器洗い機対応可。ブラックツールは今のトレンドです」。(キッチンジャーナリスト 本間美紀さん選)トラモンティーナ ニグマブラック牛刀8インチ(全長約33.5センチ)5000円ほか/キョウダイジャパン
6・仏アルプスの登山文化から生まれたブレッドナイフ「フレンチアルプスの山登りカルチャーから生まれたオピネルのブレッドナイフ」。(キッチンジャーナリスト 本間美紀さん選)仏サヴォワ地方の山村で生まれたオピネルは、1890年に折り畳み式のナイフの原型を開発した。(刃渡り約21センチ)4800円/ハイマウント
7・木工職人が注文主に合わせて作ってくれるカッティングボードと木べら木目が美しい職人の作品。「卓上に出すお鍋とセットで使えます。へらの先端がきちんと薄くできているので見た目以上に使いやすく、重宝しています」。(料理研究家 久保香菜子さん選)山桜の木べら〈右〉(長さ約30センチ)4800円、〈中〉(長さ約28.5センチ)4600円、オーク材のマドラー〈左〉(長さ約27センチ)3600円 山桜のカッティングボード(約全長38.5×幅20センチ)1万3800円/sole wood products ※材料によって価格変更あり
8・軽くて丈夫なハンディボード「木材の繊維を合成した素材で作られたハンディボード。スケートボード場に使われる強い素材。リベットの真鍮がアクセントに」。(キッチンジャーナリスト 本間美紀さん選)木材の繊維を合成した素材。自然環境保護に配慮したものづくりをしているアメリカのエピキュリアンのハンディボード。サイズはSとM、色はナチュラルとブラック。Sまな板 ハンドル付き(長さ33〈ハンドル含む〉×幅18.6センチ)4180円ほか/ワイ・ヨット
〔特集〕料理のプロ23人が選んだ華麗なるキッチンツール(全12回)
表示価格はすべて税抜きです。 撮影/本誌・大見謝星斗 スタイリング/横瀬多美保 フードスタイリング/梶井明美
今回、商品選定にご協力いただいた方々(五十音順)
入江亮子さん(料理研究家) 大田ゆう子さん(料理研究家) 門倉多仁亜さん(料理研究家) 間﨑友子さん(食空間プロデューサー) 河合真理さん(料理研究家) 川上文代さん(料理研究家) 久保香菜子さん(料理研究家) 小林深雪さん(フローリスト) 小堀紀代美さん(料理研究家) 佐藤よし子さん(英国食卓史研究家) 高良康之さん(「レストラン ラフィナージュ」オーナーシェフ) 中村奈津子さん(料理研究家) 馬場香織さん(料理研究家) 平山由香さん(料理研究家) 福田典子さん(テーブルコーディネーター) 藤田京子さん(フラワーデコレーター) 本間節子さん(料理・菓子研究家) 本間美紀さん(キッチンジャーナリスト) 本間るみ子さん(チーズプロフェッショナル協会会長) 馬 衣真さん(中国料理研究家) 山本侑貴子さん(食空間プロデューサー) 横瀬多美保さん(インテリアスタイリスト) 渡辺千尋さん(フランス菓子研究家)
『家庭画報』2020年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。