心静かに、向き合いたい 京都の美に触れる 第9回(全17回) この時期の京都は観光客も少なく、心静かに本来の魅力を堪能できる絶好の季節です。京都を代表する料亭が満を持して開催する“料亭美術館”、精緻な“手業の美”に出会える美術館やショップ、そして“冬の美味”を味わう食事処──。今、注目の京都のさまざまな美の形が、ここにあります。
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緻密な京薩摩の器(左・径7センチ、中・径4センチ)にはバリ島の縞織物、ドームのガラスの茶入(右・径7センチ)には18世紀のインド更紗を合わせた。仕立て代約2~3万円(裂地代別)。注文から完成まで約1か月。今昔西村
その色合いの美しさから世界中の人々を熱狂させた古渡り更紗、風雅な時代小袖──。100年以上前の古い染織品や織物の断片である稀有な古代裂を豊富に取り揃える老舗「今昔西村」では、その貴重な裂地を使った仕覆のオーダーが人気です。
器に合う裂地を探しながら、その時代や国元に思いを馳せるのも一興。「大切な人の洋服を選ぶように、いちばん似合う裂地を探すのが楽しいんです」と話すのは、ご主人の西村 凱さん。
茶器のほかにも、シャンパングラスやコーヒーカップなど、多様なものに対応してくれます。包みたいものを持参し、選りすぐりのデザインのなかから裂地を相談しながら決めれば、ぴったりのものが完成。また、見る者を惹きつける古代裂の魅力を生かした、額装や軸のオーダーもおすすめです。
今昔西村 西村 凱さん・秀一さん今昔西村京都市東山区大和大路通三条下ル弁財天町36
TEL:075(561)1568
営業:10時~18時30分 日曜定休
〔特集〕心静かに、向き合いたい 京都の美に触れる(全17回)
表示価格はすべて税別です。
撮影/本誌・坂本正行 取材協力/永松仁美
『家庭画報』2021年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。