今のライフスタイルに合わせて選ぶ 新「洋食器」の楽しみ方 第9回(全18回) 愛着ある洋食器も、いつもと違うコーディネートや、新しいアイテムをプラスすることで、日常のテーブルが夢のようなシーンに変身します。洋食器をこよなく愛する、器づかいの達人の素敵な暮らしから今、取り入れたい「洋食器」の楽しみ方をお届けします。
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注目のアイテムを食のプロが「私流」に使う普段づかいの器となると、ついシンプルなものを選びがちですが、時には気分を変えて個性ある柄や色のアイテムを選んでみるのはいかがでしょう。
この夏、編集部が注目するアイテムの使いこなし術を、料理家の皆さまにご披露いただきました。
フランス「マリーダージュ」
南仏のおおらかな色づかいで食卓にリゾートの風が吹く
のびやかな手仕事の筆致から、おおらかな南仏の空気も感じられる器には串揚げを盛って、戸外で楽しみたい。ガラスのカップに盛りつけた生野菜の下皿には「マリーダージュ」のカップ&ソーサー〈PANACHE〉2万7500円のソーサーを。テーブルクロス「アレクサンドル チュルポー」〈FETES GALANTES〉5万8300円/麻平和のおうちご飯が洋食器で一気に華やぐ
宮澤奈々さん(料理研究家)「料理と器とテーブルクロスなど、トータルで季節を意識したプレゼンテーションを考えていくので、基本的に器はシンプルなものを選ぶことが多いですね。使いこなしが難しいと思って、なかなか柄物の器には手が出なかったのですが――。
おうちご飯が続く昨今、ふと閃いたんです。毎日の食卓に上る和食は、おいしいけれど色合いが地味なものが多いので、個性の強い洋食器に盛りつけたら、お互いが引き立ち、食卓の気分がまた変わりそうだな、と」。
今回、宮澤奈々さんがまず選んだのはフランス・リモージュのブランド「マリーダージュ」。伝統あるリモージュ焼にハンドペイントが印象的な、本国でも愛されているメゾンです。大胆でインパクトのあるデザインだけに、盛りつける料理やアイテムも引き算で考え、シンプルに。器の柄もあしらいの一つととらえます。
「家族が好きな揚げ物や焼き鮎もぐっと表情が変わりますね。意外にラフなスタイルでも使いこなせそう。次は何を盛ってみようか、わくわくしますね」。
器の静かな世界観に合わせて、盛る料理はシンプルに。鮎がスポットライトを浴びたような佇まいもクール。テーブルクロス「アレクサンドル チュルポー」〈SUBLIME〉7万5900円/麻平一枚一枚表情が異なるハンドペイントのリモージュ焼
レジオンドヌール勲章やMOF(フランス国家最優秀職人章)受賞のデザイナー、マリー・ダージュ氏がハンドペイントで仕上げる。草花のモチーフからモダンアート風まで、幅広いデザインを誇る。
フォトギャラリーで詳しく見る 『“魅せる”レシピ、盛りつけ、切り方、ラッピングのすべて 素敵なおもてなしのプレゼンテーション』 スタイリッシュなテーブルコーディネートと美しい盛り付けが大人気の料理研究家・宮澤奈々さんによる『家庭画報』の人気連載が一冊に。四季折々のおもてなし料理レシピに加え、盛りつけ術やテーブルコーディネート術など、“魅せる”おもてなしのプレゼンテーションをたっぷりご紹介。
撮影/鈴木一彦 取材・文/鈴木博美
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。