日々の暮らしを豊かにする“衣食住”の品 涼やかな夏の生活道具 第5回(全6回) 家家で過ごす時間が多くなりそうなこの夏は、日々の生活道具を今一度見直すいい機会かもしれません。この特集で取り上げるのはガラス器と染織品。夏の暮らしを涼やかに演出してくれる日本の手仕事の逸品を、使い方の提案とあわせてご紹介します。
前回の記事はこちら>> 室内にふんわり、風を見る布を窓辺に掛けた布や間仕切りの布が、ほんのわずかな風にもそよいで揺れるさまは、まさにそこに「風を見る」こと。日本人ならではの感性といえます。
寝室の窓は、厚いカーテンをやめて透明感ある布や韓国の麻布を継いだポジャギなどに替えてはどうでしょう。光が透過すると陰影が浮き上がるのは、まさに透明ガラス器と同じ効果。シンプルにすっきりと潔くまとめて、夏気分を謳歌したいもの。
京都の町家が、簾や網代、葭簀(よしず)で夏の衣替えをしたように、布を効果的に使うのも現代の住まいの衣替えといえます。
布を効果的に使って、夏気分を謳歌する
今回は、夏の住まいの衣替えを行うのにぴったりな、「涼やかな布」を効果的に使う4つのテクニックを紹介します。
1.ベッドに麻やシルクのスロウを
左・「万能布ペルマブルーグレーB」、右・「万能布ペルマ チャコール」各4万4000円 素材は麻とシルク。クッション4点/すべて真木テキスタイルスタジオベッドに掛けたのはスロウと呼ばれる布でベッドカバーや大判ストール、赤ちゃんの肌掛けにも臨機応変マルチに使えます。
詳しく見る>>2.窓に涼やかな布を
窓に透明感ある布を掛けると一挙に部屋に涼やかさが訪れます。
左・「間仕切り布 シルクオルガンザ(細ボーダー)」2万4200円、右・「間仕切り 空羽白」3万9600円/すべて真木テキスタイルスタジオ窓に掛けた右の布は、空羽織り。経糸に隙間を作って織り出された布で風通しがいい印象。左は手で座繰りした玉繭を使って機械織りした布。張りがあり、洋服にも用いられる。
詳しく見る>>3.モダンな織りの布を壁に
額縁入りの絵画を外して、壁にモダンな織りの布を掛けると、軽やかな雰囲気に。
「やしゃぶしタペストリー(4枚組)」中本扶佐子 作(前﨑成一デザイン)16万5000円 ピアノの上「カンテクロス」/真木テキスタイルスタジオ。「ピッチャー スミ」 有永浩太 作「やしゃぶしタペストリー」は糸はペルー綿。グレーはやしゃぶし、黒はログウッドの染め。
詳しく見る>>4.のれんで風の通り道を
ドアを開け放つことが多い夏。のれんで目隠しにすると風も通って心地よい。
「緑ボーダーのれん」中本扶佐子 作4万9500円「緑ボーダーのれん」はインド綿を、かつて鳥取の赤松村で紡いでもらった貴重な糸で織ったもの。
詳しく見る>> 〔特集〕日々の暮らしを豊かにする“衣食住”の品 涼やかな夏の生活道具
撮影/阿部 浩 スタイリング/横瀬多美保 フードスタイリング/梶井明美 取材・文/片柳草生 手作りの品のため、サイズや色、形、仕上がりなどが写真や説明と異なる場合があります。ご了承ください。
『家庭画報』2021年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。