「美しい家具」と暮らす 第6回(全21回) おうち時間の質が求められる時代にあって、インテリアの世界では本物志向のハイエンド家具の動きが好調です。空間と時間の価値を高めてくれる、「美しい家具」のある暮らしを訪ねました。
前回の記事はこちら>> ラグジュアリー家具ブランド最前線!ミラノ“スーパーサローネ”で世界の潮流を知る
コロナ禍の中、本当に開催されるの?と注目を集めた「ミラノサローネ」の特別展。イタリアから招かれ、勇気を出して海を越え、そこで見たものは。
本間美紀(ライフスタイルジャーナリスト)Reported by Miki Homma インテリアの専門誌『室内』を経て、キッチンやインテリアのジャーナリストとして活動中。特に海外のインテリア見本市の取材を得意とし、イタリア、ドイツ、北欧など訪問回数は60回以上。コロナ禍の中で見せたイタリアデザインのスピリッツ
イタリア・ミラノで毎年開催される家具、インテリア、デザインの世界最大の祭典が「ミラノサローネ国際家具見本市」です。2021年は特別展「スーパーサローネ」が9月上旬に開催されました。会場は密を避けるため、歩く流れに乗って見られるギャラリー形式に。今年限りの展示スタイルです。
毎年4月に行われるミラノサローネですが、2年半に及ぶ延期に、「今こそ、デザインの力で世界に灯りを灯したい」とイタリア家具業界が一丸となり、熟考の末に開催を決断しました。そこからはわずか3か月。イタリアモダンの殿堂「トリエンナーレデザイン美術館」で前夜祭も開かれ、家具界のセレブたちが再会を喜び合いました。
前夜祭の様子(左)。ミラノサローネ国際家具見本市の新代表に38歳の女性、マリア・ポッロ氏が就任。初日はイタリア大統領も表敬訪問に(右)。イタリア国内を中心に425社が参加。フレックスフォルム 、ミノッティ、モルテーニなど、日本でも知られるビッグブランドから、伝統的な工芸家具メーカー、ガラスや金属など得意分野を持つ企業、照明、キッチンのブランドなどのインテリアブランドが参加しました。
コロナ禍の中でも113か国から6万人が来場。エントランスでは今回のために用意された、100本の樹木が来場者を迎えます。