インテリアデザイナー・コマタトモコさんが指南する、ホテルライクな洗練されたブランド選び
C邸(東京)
【ディスプレイクロゼットのあるラグジュアリーな寝室】ブティックのような「見せるクロゼット」を備えた寝室。正面は透明とスモークが切り替えられるガラス張りの浴室、中央はテレビを格納した電動昇降式のテレビ台。珊瑚をイメージしたブロンズ製の脚が美しい右手前のスツールは「アレキサンダー・ラモント」の製品。アジアやアフリカの文化、アール・デコに触発された独特のデザインと高い技術が生み出す同社の家具や小物は工芸品級との評価があるほど。スツール、テレビ台上のキャンドルスタンド/アレキサンダー・ラモント(エルクリエーション) ベッドの上のブランケット、クッション/エルメス(エルメスジャポン) テレビ台、その他すべての家具/CASA BUKUここは終(つい)の住処(すみか)を探し求めてきたCさんが、一軒家から移り住んだ都心のマンションの一室です。ホテルのスイートのように洗練されたインテリアを手がけたのは、コマタトモコさん。
コマタトモコ聖心女子学院卒業後、桑沢デザイン研究所、早稲田大学芸術学校、ロンドンKLCなどで学ぶ。1995年、夫の横堀健一が主宰する横堀建築設計事務所に参画。オリジナル家具ブランド「CASA BUKU」代表。撮影/齋藤幹朗コマタさんは壁紙やカーテン、家具の張り地などに麻を多用し、麻に包まれた空間に合うメインの家具として、イタリアの最高級ブランド「プロメモリア」の製品を選びました。
重厚にして優美、モダンとクラシックが融合した独特の趣があります。
PROMEMORIAオーナーのロメオ・ソッツィが目指すのは「アンティークになる家具づくり」。クラシックスタイルに独自のセンスを加えたモダンな家具はどんな空間にもなじみやすい。センターテーブル/CASA BUKU それ以外のすべての家具、手前のサイドテーブル上の小物、センターテーブル左奧のトレイ/プロメモリア(トミタ) トレイ上の充電式ライトとセンターテーブル上のその他の小物、右手前のバスケット/アルマーニ / カーザ 奧のソファの上のスロー/ロロ・ピアーナ・インテリア(エルクリエーション)また、見逃せないのが、ファッションブランドの小物を取り入れたコーディネート術。
「どれも、時代を表現するアート性や素材・色の独創性に魅力を感じます」とコマタさん。空間により豊かな味わいが生まれています。
時間をかけ、コマタさんと二人三脚で完成させてきた住まいの出来映えに満足げなCさん。コマタさんは「家具を一度にワンブランドで揃えてしまうとショールームのような空間になりがちです。ご自身の感性と出会いを大切に、質のよい家具を少しずつ揃えていくことをおすすめします」と語ってくれました。
右・光り輝くオニキスの壁が目を引く玄関で出迎えてくれるのは、プロメモリアの「ビロウビロウ」。「トーネット」の曲木椅子の名作「No.14」から着想を得たデザインで、愛らしいフォルムと上質な麻の質感が魅力。/プロメモリア(トミタ) 左・ダイニングから玄関を見る。シンメトリーに配した飾り棚が美しい。ダイニングチェア/プロメモリア(トミタ) ダイニングテーブル、飾り棚/CASA BUKU下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 撮影/角田 進 スタイリング/横瀬多美保 取材・文/大山直美
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。