「ミラノサローネでも注目」ラグジュアリー家具の新潮流 第2回(全3回) 3年ぶりに通常開催された世界最高峰の「ミラノサローネ国際家具見本市」の最新レポートとともにわが家のインテリアを格上げしてくれるブランド家具のトレンドを追います。
前回の記事はこちら>> 最新家具のニュースに溢れ、息を吹き返したミラノの街
ミラノサローネ国際家具見本市開催期間中に、ミラノ市内で併催されるのが「ミラノデザインウィーク」と称されるプライベートイベント。各ブランドがショールームや博物館、美術館、貴族の邸宅や古い倉庫など、ミラノを感じさせるスポットを会場に、新作展やインスタレーションを開催します。
最近の傾向としては商品を見せるだけでなく、ブランド哲学を見せるプレゼンテーションが重視されていること。
新作を追うばかりが家具の見方ではなくなり、普段の生活に新しいインスピレーションを与えるイベントが多数開催されました。前回より人出も増え、夕方にはカクテルパーティを楽しむ人で道が溢れかえりました。
Cassina(カッシーナ)
パトリシア・ウルキオラの色彩マジックに魅了される
アントニオ・チッテリオの新作ソファを、パトリシア・ウルキオラが鮮やかにカラーリング。1960年代から着想したデザインで、当時の陽気なイタリアモダンを思わせますが、現代の住宅事情に合わせて構造は軽やかで、再生可能な素材を多用しています。
Sofa:ESOSOFT
Design:Antonio CitterioB&B Italia(ビー・アンド・ビー イタリア)
マリオ・ベリーニの名作チェアをモダンに再解釈
「レ・バンボレ」 は1972年にマリオ・ベリーニがB&B イタリア独自の技術を生かしデザインした、体を包むようなアームチェアやソファ。ステラ・マッカートニーとのコラボモデルなど新しい解釈での展示をショールームで展開し、ミラノのシンボルブランドとして街を盛り上げました。
Armchair:Le Bambole
Design:Mario BelliniBaccarat(バカラ)
バカラはスタルクの詩的で抽象的なエレガンスを照明に
フランス人ながら世界中から引っ張りだこのデザイナーがフィリップ・スタルク。フランスのクリスタルブランド、バカラとは20年ものコラボレーションを重ね、シャンデリアが空間に浮かぶような記念インスタレーションを開催。「タリランドコレクション」を発表しました。
Lighting:Marie Coquine
Design:Philippe StarckMinotti(ミノッティ)
品格ある“ジャパンディ”はミノッティから
日本人とデンマーク人のデュオ「イノダ+スバイエ」が発表したのが「ヨーコ」という名前のシンプルな木製チェア。重厚な家具が多かったミノッティですが、ジャパンディなトレンドを意識した新作です。
Chair:YOKO Armchair
Design:Inoda+SvejeFLEXFORM(フレックスフォルム)
ブレラ地区にオープンした堂々たる直営店が話題に
フレックスフォルムが直営店をオープン。地下鉄モスコーヴァ駅から徒歩10分。800平方メートルという広さのアントニオ・チッテリオによる空間で、天然石や漆喰を使ったミラノスタイルのインテリアを体感できます。インドア、アウトドアの家具を余すところなく展示する必見スポットに。
Design:Antonio CitterioMolteni&C(モルテーニ)
1930年代の彫刻のようなヘリテージコレクション
ミラノスタイルのトレンドを牽引するのがモルテーニ。写真は1930年に建築家のイグナツィオ・ガルデッラがデザインした彫刻のようなテーブル。天然石と金属で独自のレトロ感を醸し出す、復刻コレクションです。
Table:BLEVIO(Molteni&C Heritage collection)
Design:Ignazio Gardella 取材協力=ミラノサローネ国際家具見本市事務局
https://www.milanosalone.com/ photo=Courtesy Salone del Mobile.Milano Andrea Mariani /Alessandro Russotti /Diego Ravier /Luca Fiammenghi /Ludovica Mangini
『家庭画報』2023年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。