北欧の美しき暮らしを訪ねて 第7回(全10回)私たち日本人のライフスタイルがドラスティックに変わろうとしている今、改めて北欧のスタイルに注目し、学ぶべきことがたくさんあるようです。第1部では小林聡美さんがフィンランドを訪問し、現地で出会った魅力的な人々を通じた素敵な暮らしや住まい、カルチャーをご紹介。第2部では、北欧の名品を日本の暮らしの中でセンスよく楽しむ術をユキ・パリスさんに教えていただきます。
前回の記事はこちら>> 【第2部】ユキ・パリスさん 京都のアトリエ発
「知性溢れる北欧エレガンスと暮らす」
ボーエ・モーエンセンの1949年製のテーブルに北欧と日本・アジアのものを組み合わせてティータイムを楽しむ。ピッチャーはオー・ハンセン、ティーポットはアルネ・ヤコブセンによるデザイン。ガラスボウルはタピオ・ヴィルカラ、グラスは「ホルムガード」。いずれも1950〜60年代のもの。明治時代後期の卵殻象ぞう嵌がんの提げ重、盆、茶托は日本のもの。テーブルに盆栽、奥の飾り台には李朝の面取り壺を飾った。レースや刺繡、木工、焼物、銀製品、ガラスなど、北欧の手仕事の素晴らしさを日本に紹介し続けているユキ・パリスさん。
骨董やヴィンテージとして現代に伝わる北欧の美術工芸の魅力は、「こと北欧モダンにおいてはシンプルで、線や形が美しく、素材のよさを生かし、機能的で、詩情を残していること」と話します。
そんな北欧の手仕事の名品と、それらとともにあるユキさんの京都での暮らしをご紹介します。
ユキ・パリスさん1945年京都生まれ。70年大阪万国博覧会に勤務後結婚し、デンマークへ。さまざまな展覧会の企画・監修を手がける。2002年、蒐集したヨーロッパのレース・刺繡と針仕事の道具などを展示するミュージアムにアンティークショップを併設した「ユキ・パリス コレクション」を京都に開設。春と秋は京都、夏と冬はデンマークで暮らしている。