インテリアと同じセンスで選ぶ
小さな仏壇「厨子」に注目
塗りと炭で磨く工程を何度も繰り返して完成する漆塗りの最高峰“呂色”の鏡面仕上げと、香が天へ上っていく様を表した曲線デザインは、卓越した職人技によるもの。内側左右床面の照明が視線を須弥壇へと誘う。
「波浄美(はじょうび)」(高さ49×幅44×奥行き32センチ)148万円 位牌27万2000円/ともに丸喜旧来の枠にとらわれず、それぞれの住まいになじむ軽やかさ、インテリア性を持った今どきの仏壇。
なかでも、大切なものを納める箱として古くから伝わる「厨子」は、小ぶりなサイズ感やさまざまなデザインで、“新しい時代の仏壇”として注目が集まっています。
日本の伝統工芸の技を今に生かしたものから作家の個性が光るものまで、実に多彩。逸品の中からお好みの厨子を見つけてください。
暮らしの根幹をなす住まいのインテリア。細部まで統一感をもたせたいとの要望が高まる中、従来の仏壇がなじみにくいと感じるかたも増えています。
「日本の伝統工芸である漆と金工による家具を作り、特別注文にも対応するうちに、家具と調和する仏壇も作ってほしいという要望が出てきました」と、「匠工芸ギャラリー禅」の原 のり子さん。
約20年前より、オリジナルデザインの厨子を製作。
素材と仕上げの上質さ、小ぶりながらも静かな存在感、そして限られた空間に収まるコンパクトさから厨子の人気が高まっています。
「イタリアモダンの家具でまとめた空間に、漆の厨子がしっくり合うというお客さまも。ライフスタイルの多様化に伴い、住空間に調和する祈りの場はこれからさらに求められるでしょう」。
日々の暮らしに寄り添い、ふと目を向ければ、いつでも思いを馳せることができる祈りの場。
厨子や家具のような仏壇の登場が、スタイルのある住空間を求めるかたの希望を叶えます。
サイドテーブルにもさりげなく置ける、宝箱さながらの厨子
「延壽(えんじゅ) ラピスブルー」(高さ28×幅17×奥行き17センチ)45万円/ギャラリー厨子屋 by アルテマイスター香炉/匠工芸ギャラリー禅屋根には宝珠を戴き、扉の取っ手には吉祥文様である霊芝雲(れいしぐも)と清らかな蓮華をあしらって。いぶした銀箔の上にラピスブルーをのせた仕上げは、見る角度により異なる表情が美しい。
透明であればこその軽快感と気品。凜としたガラスの仏壇
「澄壇(すみだん)」(高さ31×幅39×奥行き23センチ)22万円 位牌20万円/ともにまなか高透過ガラスで作られているため圧迫感がなく、空間にすっとなじむ。水のように澄んでクリアな素材で、清々しい気持ちに。光の反射・屈折・透過によって生まれる輝きは千変万化。豊かな表情が故人への思いを誘う。