タンポポの綿毛を束ねた“一瞬のブーケ”を、全国の花屋が競うコンテストに出品

5月16日の贈り花

アスチルベとタンポポ。瞬間の美を楽しむブーケ

アスチルベの生産で圧倒的シェアを誇るのが長崎県佐世保市の「JAながさき西海」です。その中の「アスチュルベ部会」がここ数年開催している「アスチルベ杯」に今年も参加しました。

正式には「変態カップアスチルベ杯」という名称で、全国の花屋が「JAながさき西海」のアスチルベを利用して、どれだけ変態＝変わっていて個性的なアレンジを制作するかを競うイベントです。


ブルーに染められた美しいアスチルベ2種をメインに、染めのフランネルフラワーを加えただけではインパクトが足りない。どうしようか悩んだ末に、自宅周辺を探し回り、タンポポの綿毛でいっぱいの休耕田を見つけました。

「これだ！」と閃いたものの、摘み取るたびに綿毛が飛んでしまい悪戦苦闘。風が止んでいるときを狙い、息をひそめるようにして摘んだタンポポを、一気に青い花と一緒に束ねました。

すぐさま写真に納めると、その後に吹いた風で手にしたブーケから綿毛が舞い上がり、そのはかなくも美しい景色にしばしうっとり魅入ってしまいました。残念ながら、オーダーいただいてもお受けできないブーケですが、一瞬の美しさを楽しんでいだたけたら幸いです。

なお、強者揃いで、優勝賞品の長崎和牛は逃してしまいましたが、後日、参加賞の素敵なアスチルベが届きました。

花の生産者さんと花屋、こんな交流をしつつ、より素敵な贈り花を皆さまにお届けできるよう努力しています。

【使用花材】
アスチルベ アイブルー、スカイパープル（ともに染め）
フランネルフラワー マリエ（染め）
タンポポ
スギナ

贈り花のヒント
自然界にはない色を染めという技術で生み出した花は、カラーリングフラワーとも呼ばれ、最近では各地の生産者さんたちがトライしています。

染め＝ナチュラルではない、と思われる方もいらっしゃいますが、昔と違い、最近の染めの技術はクオリティが高く、ブーケやアレンジを制作する側としてはとても魅力的です。今回使用したアスチルベやフランネルフラワーのほか、マトリカリアやミニマーガレットなどの染め花も人気を集めています。

「いつかはこんな花色の品種を生み出したい」という生産者さんたちの願いものせた美しい染め花、花屋さんで見つけたら、ぜひ贈り花に利用してみてください。きっと今までにない新鮮な驚きをお届けできると思います。

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