日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント 第5回(全9回) 年間4000個もの贈り花を手がける「フルール トレモロ」は、暑い時期でもオーダーが途切れることがありません。それは日本各地から取り寄せた、夏ならではの魅力的な花が揃い、オーナーの藤野さんがナチュラルでエレガントなブーケやアレンジメントを作ってくれるから。住まいに飾るのはもとより誰かに贈りたくなる、素敵な夏の花あしらいをご紹介しましょう。
前回の記事はこちら>> この夏はこんな花を飾りたい
注目の5大花で住まいを彩る
夏は暑いからと、室内に花を飾ることを諦めているとしたら、もったいない!。今しか楽しめない旬の花を5種類(
エキナセア、
ヒマワリ、
ハス、
ジニア、
ダリア)を順にご紹介します。初めて出会う新顔の花も続々と登場、住まいに飾る花あしらいで、この夏は心を躍らせてみませんか。
04.クリアカラーからニュアンスカラーまで新色が続々登場!
ジニア
《水色の花を添えるとピンクの表情がより豊かに》
濃淡ピンクと白のジニアにピンクのバラとダリア。かわいらしいピンクのブーケをエレガントな表情に見せてくれるのがアクセントに加えたオキシペタルム(ブルースター)。使用花材 Aジニア“キャンディポップ”、Bダリア“ナマハゲビューティ”、Cバラ“シャルロッテ”、Dオキシペタルム“ピュアブルー”、アップルミント、ユーカリ、フランボワーズ赤、オレンジ色、黄色……。夏の庭でひときわビビッドな花色を放つのが「百日草」の和名で知られるジニア。エキナセアと同様に夏という季節によく似合う花ですが、切り花では、盛夏から秋にかけて出回り量が増えてきます。
庭ではよく一重咲きの小さな花が利用されるのに対して、切り花では、花の大きなエレガンス種が好まれ、次々と品種改良が進んで、最近では花色がとても豊富になっています。ビビッドな色はもちろん、少しくすんだニュアンスを感じさせる花色の人気も高く、花関係者の間では「くすみ系」、または「アンティークカラー」と呼んでいます。
《赤とグリーン。インパクトの強い色合わせもナチュラルに》
ピンクやオレンジ色など、その名のとおり、キャンディのようにポップなジニアを赤いバラと合わせて。ハーブのフレッシュな葉色をたっぷり加えると、よく目立つと同時にナチュラルな印象に。
使用花材 ジニア“キャンディポップ”、バラ“ルージュリアン”、エキナセア“シュープリームエレガンス”、アップルミント、ゼラニウム、アルケミラモリス、銀葉アカシアジニアは花びらが小さく、かたまった形で、どこかかたい印象に見えがちなので、バラのようなふんわりした花や、ハーブなどのリーフをジニアの間に加えると、丸形のかわいらしさが引き立ちます。花色が豊富なので、花色合わせの脇役としても、大活躍してくれます。お好きな花色をぜひ束ねてみてください。
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「フルール トレモロ」藤野幸信さんの連載「365日の贈り花」 〔特集〕日本各地、選りすぐりの花を束ねた美しきフラワーアレンジメント(全9回)
写真/藤野幸信 撮影/北恵けんじ 取材・文/高梨さゆみ
『家庭画報』2020年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。