今という時代を見据え、(1)現代の暮らしに適うモダンな「デザイン仏壇」、(2)個人の心の拠り所としての「厨子」、(3)住まいに合わせた「仏壇のリメイク」という3つのアプローチからアルテマイスターが提案する祈りのかたちを、全4回の連載でご紹介します。(
前回の記事はこちら>>)第3回の今回ご紹介するのは同社の仏壇リメイク事業です。
アルテマイスターが拠点とする会津若松の自社工場では、200人を超える職人が、原木の買い付けから、製材、木地加工、塗装、組み立てまで、すべての工程を一貫して行っています。その強みを活かし、新たに立ち上げたプロジェクトが、仏壇のリメイク事業。「代々受け継がれてきた仏壇を引き継ぎたいが、そのままの大きさでは……というお客様のお悩みに真摯に向き合い、応えていくこともメーカーとして大事な役割」(保志社長)と、古い仏壇の部材を再利用し、新しい大きさ・かたちへ生まれ変わらせる「お仏壇リフォーム工房」を開設しました。
リメイクの契機には、親から子への引き継ぎや、戸建てから集合住宅に転居する際、大きくて部屋に置けないので小さく作り直してほしいというケースが多くあります。同社では、お預かりした仏壇の再利用ができる箇所や、プロセスや経過を写真などできちんと知らせてくれます。大切な仏壇を預けるお客様の心情に寄り添い、「安心できること」を何よりも優先しているからです。また同事業は、資源の枯渇、廃棄物や大気汚染など、企業としての環境保護のための取り組みとしても位置づけられています。“想いを受け継いでいく”――これもアルテマイスターが考える暮らしに適う祈りのスタイルなのです。
金仏壇のリメイク ビフォー&アフター
高さ167㎝・幅67㎝から、高さ61㎝・幅48㎝へ大きくダウンサイジング。彫刻、蒔絵、障子など、引き継ぎ部材を取り込み、金箔押しをして仕上げた。天井にはLED照明も。ウォールナット厚板仕上げの扉を閉めればモダンなキャビネットのよう。今年3月に完成した、大阪型金仏壇を小型仏壇へ作り替えた例です。購入後40年前後経過していたもので、内部彫刻や蒔絵、障子組子などはサイズ調整をして再利用しました。 扉を閉めれば現代家具のようなモダンタイプに生まれ変わりました。価格目安65万円。製作期間は5か月。
内部彫刻の再利用
【Before】内部の棚まわりの彫刻と蒔絵を選択。
【After】バランスを整え、サイズ調整をして配置。 内部は黒塗り金箔仕上げ。
掛け軸のリメイク
【Before】もとの掛け軸のサイズは、高さ42×幅18㎝。
【After】リメイク後の掛け軸のサイズは、高さ22×幅11㎝。本紙部分はそのまま生かし、金襴部分をサイズダウンすることで、大きさは約3分の1に。
「お仏壇リフォーム工房」のリメイクプロセス
製材から塗装まで、すべての工程を一貫して行えるからできる仏壇のリメイク。新品以上の手間がかかる作業ですが、お客様のニーズに合わせ、柔軟かつ迅速な対応ができる技量の高い職人がそれを担っています。
(1)図面作成現品を確認しながら、再利用と新規作成の部材をお客様の要望をもとに反映。
(2)解体仏壇を丁寧に解体し、可能な限り各部品が再利用可能か判断する。
(3)研磨新規作成部品はもちろんのこと、再利用部品も、研磨して塗装を落とす。
(4)塗装新規作成部品と再利用部品を、全体のデザインに合わせて部品ごとに塗装。
(5)組み立て上塗りが完了したら、組み立て作業に入る。完成後、最終検品を行い、梱包。
「お仏壇のリメイク」の完成までの流れ
(1)お問い合わせ(電話・メール) (2)サイズ・画像・要望・予算確認 (3)提案書作成・お見積もり (4)契約・仏壇引き取り (5)図面作成 (6)仏壇洗浄・解体 (7)木地加工・研磨・塗装 (8)組み立て・検品・梱包・納品
●提案書作成・お見積もりは無償 ●製作期間は契約から完成納品まで4~5か月 ●基本料金 高さ42㎝まで 30万円~
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アルテマイスターお客様相談室
TEL | 0120-861-900 |
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E-mail | remake@e-alte.com(お仏壇リフォーム工房) |
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定休日 | 土曜日・日曜日・祝日 |
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〔特集〕[アルテマイスター] 暮らしに適う祈りのかたち――(全4回)
表示価格はすべて税抜きです。 撮影/本誌・西山航 スタイリング/横瀬多美保
『家庭画報』2020年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。