ゆったり、あったか長風呂のすすめ 「感動のバスルーム拝見」第5回(全9回) おうち時間が長くなっている今、家の中で、どう楽しく心豊かに過ごすかは、日々の暮らしの大きなテーマとなっています。温水浴を習慣とする日本人にとってお風呂は単に衛生のためだけでなく、心身を癒やすくつろぎのためのもの。ストレスを取り除き、明日への英気を養ってくれる─ ちょっと贅沢で優雅なバスタイムを考えます。
前回の記事はこちら>> 置いてあるだけで心豊かに。木のお風呂で温泉気分
A邸(長野・白馬)設計・施工/TOMIKEN
長野県白馬村のA邸の浴室。モダンなフォルムの木のバスタブはプロダクトデザイナー川上元美さんが手がけたもの。シンガポール在住のAさん夫妻は親日家で、毎年白馬村でスノーボードやサイクリングを楽しむうちに、この地に別荘を建てることを計画。TOMIKEN白馬店のモダンな木箱のようなショールームにひと目惚れし、設計と施工を一貫して依頼することにしました。
浴室は樹木をそのまま残した広い敷地の北側に面し、三角形の窓からは新緑や雪景色など、四季折々の森の風景が眺められる。Aさんからメールで送られてきた画像のイメージをもとに、浴槽の周りの床には玉砂利を敷き詰め、飛び石を配した。バスタブも建物と同じ木製がいいというAさんが選んだのは、美しいカーブを描いた青森ヒバ製の置き型浴槽。すっぽり体が包み込まれるようなデザインが気に入ったそうです。
手前の主寝室と扉なしで連続するドライバス。右手に独立したシャワールームがある。正面の暖炉は壁の向こうのリビング側からも使えるシースルー仕様。バスルームはドライスタイルで、寝室と扉なしでつながるオープンな空間。三角形の窓からは、四季折々の風景が存分に観賞できます。さらに、リビングとの間仕切り壁には両面使いの暖炉を設置。炎を見る楽しみも加わって、ますます入浴時間が延びそうです。
青森ヒバ製の浴槽は檜創建の「O-Bath」の「yuri-ka」。 〔特集〕ゆったり、あったか長風呂のすすめ「感動のバスルーム拝見」(全9回)
撮影/角田 進 取材・文/大山直美 スタイリング協力/山田喜美子
『家庭画報』2021年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。