北海道「十勝千年の森」ファームガーデンだより 麗しき花摘み庭(カッティングガーデン)の喜び 第4回(全7回) 十勝千年の森には「カッティングガーデン」という、摘んで飾るために草花を育てる花壇があります。ヘッドガーデナーの新谷みどりさんが繰り出す植栽プランは「ラスティックビューティー」そのもの。いくつもの喜びに出会える花摘み庭の魅力をご紹介します。
前回の記事はこちら>> 数種類でもこんなに美しい花束に。花摘み庭のおすすめプラン
新谷みどりさんに、実際に摘んだばかりの花を使ってブーケの制作をお願いし、植物についてのコメントもお寄せいただきました。
中にはチコリやトマチロなど、一株が大きくなるため、プランターで栽培する場合は別に植えたほうがいいものもありますが、庭の広さに余裕があれば、基本的にはどの花材も混植は可能だそうです。
うまく束ねるには、花の茎を斜めに交差させ、回転させながら組むスパイラル技法を取り入れるのがコツです。
青の階調が豊かな瑠璃色ブーケ
淡いブルーはチコリの花。実は半ば花が目的で育てているとか。黒い花は全体を引き締める効果があるので、混ぜることが多いそうです。
使用した花材
a.スカビオサ・アトロプルプレア‘ブラックナイト’(Scabiosa atropurpurea)咲き始めから咲き終わりまでの展開が表情豊かで、長く楽しめる。
b.スッキサ(サクシサ)・プラテンシス(Succisa pratensis)淡紫色の花をたくさんつける宿根草。大株に育ち、こぼれ種で増える。
c.エンダイブ(チコリ、Cichorium endivia)十勝千年の森ではこぼれ種で自然に出てくるのを楽しんで育てている。
d.ペロフスキア・アトリプリシフォリア(ロシアンセージ)‘ブルースパイアー’(Perovskia atriplicifolia)銀白色の茎と葉が特徴の宿根草。まとめて植えると見応えがあるのでおすすめ。
監修=新谷みどり 撮影=大泉省吾 取材・文=大山直美 協力=十勝千年の森 ※この特集で紹介した栽培例は、北海道・十勝地方で実施されたものです。地域や気候により、適する植物や植え付け時期などは異なります。
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。