服部道子プロが紹介する「霞ヶ関カンツリー倶楽部」の知られざる魅力

94年の歴史と風格を宿す日本屈指の名門クラブ。「霞ヶ関カンツリー倶楽部」

東京2020オリンピック競技大会の舞台となった「霞ヶ関カンツリー倶楽部」。皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。



東京2020オリンピック競技大会にて。右から服部道子女子コーチ、畑岡奈紗選手、銀メダルを獲得した稲見萌寧選手、星野陸也選手、松山英樹選手、丸山茂樹ヘッドコーチ。写真・アフロスポーツ


私のゴルフ人生でも節目節目に思い出があり、見守り育ててくれた場所です。100回以上訪れていますが、今でも常に背すじがしゃんと伸びる、特別な空気が流れています。今回は、そんな名門クラブの知られざる魅力をお伝えします。



春は桜がコース内に咲く。写真・Koji Aoki/AFLO

春には桜、夏は緑が一段と濃く、秋には紅葉。凜とした松が立ち並ぶ林間タイプのコースは隅々まで手入れが行き届き、日本庭園のような様式美を誇ります。一方で、高く大きくそびえ立つ松はプレイヤーに圧迫感を与えます。



数々のドラマを生んだ、大きな池と深いバンカーが待ち構える東コース10番。奥にはクラブハウスが見える。「日本ジュニアゴルフ選手権競技の頃から、重厚な空気が漂うここでは常に身が引き締まります」写真・Koji Aoki/AFLO

私も、1999年の日本女子オープンゴルフ選手権競技の際、9番ホールの2打目で松にボールをのせてしまいダブルボギーになったことがあります。10番ショートは魔物が棲むといわれる名物ホールですが、前の組との間が開いてしまったため走って向かい、素振りもせずにただ思いきって振り抜きました。

それがなんとホールインワン！予期せぬドラマが生まれるのも、秀逸なコース設計だからこそだと今振り返っても強く感じます。

2016年にはトム＆ローガン・ファジオ親子によって東コースが全面的に改造されました。フェアウェイやグリーンに多様な起伏が設置され、バンカーの土手が高くなったことで難易度がアップしています。

世界のトップ選手が集う試合でも、スコアメイクやピンチの切り抜け方など、見どころが増しています。

〔服部道子プロに教わりました〕
Q バンカーの攻略法を教えてください

A いつもの1.8倍くらいの強さで、怖がらずに振り抜いて！
バンカーは、まず第一に1打で出す道を選ぶのが肝心。“急がば回れ”の精神で、ピンを直接狙わず横に出すのも賢明です。打つとき、ボールは右側に置くとダフる可能性が高いので左側に置きましょう。

クラブは短めに持ち、フェイスを開き、ボールとの距離を少し離します。振り幅は通常の1.8倍くらい。減速させずにボールの手前の砂を爆発させます。えいや！と思いきり振り抜くのがコツです。