ハイクレア城に暮らす ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家の人びとのライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。水曜更新。
(今までの連載はこちら) 風が強く、変わりやすい空模様のコーンウォールの海が大好きという伯爵夫人。写真/PIXTAVol.5 レディ・フィオーナのサマーホリデーの思い出
8月に入るとロンドンは比較的、静かになります。というのも、子供たちの学校が休みに入ると、長期休暇に出かける家族が多いからです。
レディ・フィオーナが育った家は、国会議事堂があるウェストミンスター界隈にありました。7月の終わりから9月の初め頃までは国会も休みとなるため、街を闊歩するのは外国人観光客のほうが多いほどです。
レディ・フィオーナが生まれ育ったのはビッグ・ベンや国会議事堂でも知られているロンドンのウェストミンスター。この国会議事堂を設計したチャールズ・バリーが、現在残るハイクレア城を設計したのも不思議なご縁。写真/PIXTA上流階級に生まれ育ったレディ・フィオーナの一家も、夏休みを合図に決まってロンドンを後にしました。ご両親と5人の妹たち、それから、住み込みのナニー(母親に代わり子育てをする女性)まで引き連れ、グレートブリテン島の南西、コーンウォールの屋敷に1か月以上は滞在したそうです。
父方に代々受け継がれてきたその古い屋敷は、コーンウォールにある岩壁の上に建っていて、窓という窓からはコーンウォールの真っ青な海が望めたそうです。