第8回
大島 泉さん
写真/PIXTA大島 泉/Izumi Oshimaライター、コーディネーター、通訳、翻訳者。東京生まれ、東京育ち。1989年にフランスへ移住。現在はパリ郊外のサンジェルマン・アンレイに暮らし、パリの食や文化を中心に取材、執筆を行う。国内外の6都市から現地特派員が情報をお届けする連載「
都(MIYAKO)通信」でパリを担当。
きらびやかなパリのクリスマス。大島さんに聞く見どころは?
パリの百貨店「プランタン」は、からくり人形のショーウィンドーで有名。「例年、パリでは11月の終わりから通りにイルミネーションが輝き、店にはプレゼントのパッケージやパーティウェアが並びます。広場やロータリーにクリスマスツリーが飾られ、町中がクリスマス一色になると、気分が高揚して寒さも気になりません」と話す大島 泉さん。
シャンゼリゼ通りのイルミネーション。毎年並木道が赤く染まる。※写真は2019年のもの「私はパリの西の郊外に住んでおり、車でパリに行く際は必ずシャンゼリゼを通ります。広々とした並木道が、きらきらと点滅するイルミネーションで真っ赤に染まる様子は壮観です。デパートのデコレーションも、競い合うように趣向を凝らしているので、毎年見に行っています」
パリの百貨店「ギャラリー・ラファイエット」の2020年のツリー。「中でもひときわ見事なのが、ギャラリー・ラファイエットの巨大なツリー。デパートの数フロア分に相当する大きさです。毎年とても幻想的で美しいボン・マルシェや、プランタンの機械仕掛けのショーウィンドーなど、見どころはたくさんあります」
パリの百貨店「ボン・マルシェ」のデコレーション。※写真は2018年のものフランスのクリスマスは家族で過ごす大切な日
「私はクリスチャンの家庭で育ったので、日本にいたときもクリスマスはミサに行っていました。フランスのクリスマスは宗教色よりも家族の集まりという意味がずっと強く、教会には行かない人も多いようです」
「クリスマスが近づき、家の中を飾り始めると、猫も興味津々です」と大島さん。「私はフランスに嫁いできて今年が32回目のクリスマス。毎年夫の家族と過ごしています。フォワグラ、牡蠣、スモークサーモン、ローストしたブレス鶏、ブーダンブランと、食べるものも毎年全く同じで、準備も簡単なものばかりです。料理を用意する人も含め、家族全員でパーティを楽しむための工夫なのだと思います」
「義母お気に入りの肉屋の、トリュフ入りブーダンブランのグリル。昨年の付け合わせはバターナッツのピュレと平いんげんのトマト煮でした」「パーティに家族が集まるたび、子供たちがだんだんと大人になっていったり、結婚や出産で新しいメンバーが加わったりと顔ぶれには変化があります。毎年の変化が私にとっては大切な思い出です」と大島さん。「クリスマスの食事会は、親族全員が集まると40人くらいの規模になります。アジア人は私だけなので、姪たちの恋人など新しいメンバーが加わっても、相手はすでに私のことを知っていて、『あなたが日本人の叔母さんですね』などと話しかけてきます。親しくなっても次の年にはもう違う恋人だったりするのですが(笑)」
「今年はこれまでのようにクリスマスを過ごせるかは分かりませんが、もしできるならば昨年と同じように我が家で家族とともに過ごしたいです」
パーティを彩るケーキ。大島さんお気に入りのお店は?
Pascal Le Gac(パスカル・ル・ガック)
「『パスカル・ル・ガック』は、私が住んでいるパリ郊外の町、サンジェルマン・アンレイが誇るショコラティエです。以前はパリの有名店のケーキをいろいろと試していましたが、ここ数年はいつもこの店です。家族も全員一致でおいしいと言っています」
「ビュッシュ・ド・ノエル フランボワーズピスターシュ」(長さ18㎝)6480円(税込み)。「パスカル・ル・ガック」は、
2019年に東京・赤坂に日本店をオープン。「ビュッシュ・ド・ノエル フランボワーズピスターシュ」は、本国と日本で試作を繰り返し、パリ本店の味を再現したクリスマスケーキです。甘さをおさえたチョコレートムースと酸味のあるフランボワーズのジュレ、濃厚で芳醇なピスタチオクリームを使用。素材の特徴を巧みに引き出し、すっきりとした後味に仕上げました。
●ケーキのご予約・お問い合わせパスカル・ル・ガック 東京
東京都港区赤坂2-12-13
販売期間 2020年12月21日(月)~25日(金)
店頭もしくはウェブサイトから予約可能
電話 03-6230-9413
http://www.legac-chocolatier.jp/日本にいたら食べてみたい! 大島さん注目のケーキ
パーク ハイアット 東京「ルージュ」
「ルージュ」(長さ16㎝)5300円。「フランスでは、クリスマスケーキといえばビュッシュ(薪)型。この形はクリスマス気分を演出するのに大切な要素です」と大島さん。「真っ赤な色にも惹かれました。我が家では、クリスマスの食卓は毎年ゴールド、白、赤で飾っています。そこに真っ赤なケーキがあればとても華やかで、家族全員から歓声が上がりそうです」
「フレーバーにも惹かれます。あまおうとシャンパンムースの組み合わせは、軽やかで食事の後にも食べやすそうです。今年は本当このケーキを食べてみたくなってきました」
クリスマスの食卓に映える深紅のカラーが印象的な「ルージュ」。あまおうをふんだんに使用したムースと、爽やかなシャンパンムースを組み合わせました。ベースのビスキュイにはピスタチオとドライストロベリーを使い、軽やかな食感と酸味がアクセントになります。
●ケーキのご予約・お問い合わせ ペストリー ブティック
東京都新宿区西新宿3-7-1-2 パーク ハイアット 東京 2階
販売期間 2020年12月18日(金)~25日(金)
電話 03-5323-3462
https://restaurants.tokyo.park.hyatt.co.jp/2020xmas.html