鏡リュウジ 心の扉を開く タロットと占星術 第11回(全20回) 占いは未来を当てるだけではありません。自らの心の深層を探る──それも役割の一つ。あなたの心の扉を開くために、古の世界観の旅へと鏡リュウジさんが誘います。
前回の記事はこちら>> 獅子座(7/23~8/22)
どんな困難にも動じないコントロールの力を持つ
8 力自分の中にある衝動を制し、忍耐強く行動できる。勢いに頼らないスマートなアプローチ。【キーワード】自信/余裕/コントロール内なる不安を認め、本来の力を発揮する
あなたを守る運命のタロットは「力」です。百獣の王ライオンを手なずけるその姿は、暴れだしそうな感情をコントロールする優れた制御の力を表しています。獅子座は「自己表現」を表し、自己主張と自己実現への強い欲求で知られる星座であり、この「力」に描かれたライオンそのもの。しかし、その欲望を暴走させることなく、適切にコントロールする力を授かっていることをこのカードが教えてくれています。
獅子座はあらゆる者のトップたらんとするプライドの高さでは誰にも負けない星座ですが、その裏側には隠れた努力と目標に届かないかもしれないという不安を秘めています。外側からは誇り高く自信家に見えますが、あなただけが知る心の中には、今度はうまくいかないかもしれないと小さくなって震える自分自身がいるのです。そうした弱さが表に出てしまうと、あなたのライオンはいとも簡単に暴走してしまいます。見栄を張り、虚言を放って周囲を惑わせ、結果とどうにか帳尻を合わせようとしてもがき苦しむでしょう。
けれど、ここでプライドを捨て去っては獅子の名がすたります。「力」のカードに守られたあなたには、虚栄を本物にする、底なしのパワーが宿っているのですから。もし人生のどこかで、できもしないことを「できる」といいきってしまったときは、女性が優しく寄り添っている「力」のカードを思い出してください。あなたは百獣の王。有言実行する力はすでに備わっています。あとはそれをコントロールし、実力を発揮するだけなのです。
2022年後半は、幸運の星・木星が「チャンス」の位置に移動し、持てる才能を発揮して飛躍するタイミング。寒い冬に入る直前、星の逆行により自分の実力に疑いを抱くときもありますが「自分ならできる」と信じていてください。
そのためにやるべき課題は、折々にあなたの前に現れるでしょう。いつでも真剣勝負で、正々堂々と向き合うことが課題克服の秘訣。まずは正面からぶつかり、今の自分に何が足りないのかを体感してください。自分の弱さを認めたとき、救いの手が差し伸べられ、予想だにしなかった大きなチャンスをつかみ取れるはずです。
7月23日〜8月1日生まれ「棒の5」獅子座の始まりの時期に生まれたあなたは「混乱」を意味する棒の5の性質も持っています。パワフルですが、勢いまかせで何かと争いがち。溢れるエネルギーを少し抑えると周囲と協調できます。
8月2日〜8月11日生まれ「棒の6」「勝利」を意味する棒の6の性質を持つあなた。人生の勝者となれるタイプですが、それだけを優先すると心が乾いていきます。弱者への思いやりと見栄を張らない素直さが人生を豊かにするでしょう。
8月12日〜8月22日生まれ「棒の7」棒の7が表すのは「底力」。パワーを生かし、前進するには基盤固めが必要だということを知っている人です。どんなことにも勇気を持って挑み、情を大切にすると幸運に恵まれるようになるはずです。
世界で最も売れ、タロットの定番ともいえるのが、これらのウエイト=スミス版(ライダー版)。神話的なモチーフが想像力を喚起する。『ライダータロット スタンダード〈U.S〉』より掲載。カード撮影協力/ニチユー、東京タロット美術館 文/鏡リュウジ 浅島尚美〈説話社〉 撮影/本誌・西山 航、大見謝星斗 撮影協力/ニチユー 東京タロット美術館 LECURIO 構成/三宅 暁〈編輯舎〉 星座絵は『19世紀の占星術師』(鏡リュウジ蔵)より
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。