鏡リュウジ 心の扉を開く タロットと占星術 第15回(全20回) 占いは未来を当てるだけではありません。自らの心の深層を探る──それも役割の一つ。あなたの心の扉を開くために、古の世界観の旅へと鏡リュウジさんが誘います。
前回の記事はこちら>> 射手座(11/23~12/21)
表面的には動きがなさそうでも物事はなめらかに変化していく
14 節制きちんと節制できている状態を示す。異なるものが混ざり合い、交流して一つになる。【キーワード】調整/交流/包容力/統合何があっても停滞せずより遠くへ飛び続けて
あなたを守る運命のタロットは「節制」です。カードの中では天使が両手に杯を持ち、液体を一方からもう一方へ流し込んでいる。そこで液体は混ざり合い、新たな何かに変わるのです。液体がこぼれることなく移され、混ざり合う様子は、整えられた状態と交流を暗示。穏やかでありながら停滞はしないという「節制」が異なる何かを両立させているさまを示しています。
射手座はもともと、高い理想に向かって世界に飛び出していくダイナミズムの塊のような星座。空を切って勢いよく飛んでいく矢そのものです。「節制」は穏やかさが、射手座は飛んでいく勢いの面が目立ちますが、どちらも決してその場にとどまらないという点では同じ。また、何かにぶつかり、打ち壊して突き進むような破壊のパワーではなく、自身のエネルギーや特性を上手に使って目的を果たすというしなやかさでも共通しているでしょう。先の見通しが立たないからと、一つところにとどまり続けるのは、射手座にとって生きていないも同じこと。どんな状況であっても未来を見つめることを忘れず、理想を掲げて高みを目指すのは、決してやめないでください。それこそが射手座にとって生きる証。心の健やかさを保つためにも、冒険心を失わないようにしましょう。
2022年後半は、幸運の星・木星があなたの才能を存分に生かせる「自己表現」の位置に入ります。射手座の持ち前のチャレンジ精神で、どんな無謀なことにもトライしてみてください。大事なのは、結果ではなくやってみること。もし失敗したらすぐに回れ右をして、また新しい冒険の旅に出ればいいのです。夏の間は少し臆病になりやすく、チャンスがあっても見送ってしまいがちですが、冬になると射手座らしい楽観的でポジティブな意欲を取り戻せます。夏から秋はバントでつなぎ、冬に大きなホームランを打つつもりでいれば、何事も無駄にはならないでしょう。運命の打席にずっと立ち続け、何でもやってみてください。
手詰まりだと感じたときは、語学の勉強をすると突破口が見つかります。SNSをやってみるのもいい経験に。作品を発表してみたら、たちまち支持してくれる人が現れるかもしれません。
11月23日〜12月2日生まれ「棒の8」「節制」のカードに加え、棒の8が表す「迅速」の性質を持つあなた。ちょうどいい頃合いを見計らう才能と、素早い展開についていく力を兼ね備えています。どんな変化にもうまく対応できるタイプ。
12月3日〜12月12日生まれ「棒の9」棒の9のカードは「完遂」という意味があります。何に対してもあなたは常に準備万端。内なるパワーに導かれ、あらゆる場面で覚悟を決め、問題をクリアしてすべてをやり遂げることができる人です。
12月13日〜12月21日生まれ「棒の10」射手座の終わりに生まれたあなたは棒の10が示す「重圧」の性質を持っています。プレッシャーを受けやすいタイプですが、苦労を乗り越え、才能を輝かせて大きな成功を手に入れられるでしょう。
世界で最も売れ、タロットの定番ともいえるのが、これらのウエイト=スミス版(ライダー版)。神話的なモチーフが想像力を喚起する。『ライダータロット スタンダード〈U.S〉』より掲載。カード撮影協力/ニチユー、東京タロット美術館 文/鏡リュウジ 浅島尚美〈説話社〉 撮影/本誌・西山 航、大見謝星斗 撮影協力/ニチユー 東京タロット美術館 LECURIO 構成/三宅 暁〈編輯舎〉 星座絵は『19世紀の占星術師』(鏡リュウジ蔵)より
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。