テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
バックナンバーをもっと見る>>>LESSON46
コーディネートの仕上げは美しいカトラリーで
テーブルセッティングに欠かせない基本アイテムは、テーブルリネン、器、グラス、センターピース、そしてカトラリー。
カトラリーは小さいながらも、テーブル全体の印象を左右する大切なアイテムです。横瀬多美保さんも、その時のコーディネートに合わせてカトラリーを使い分けます。ベーシックなものから、用途が限られた遊び心ある個性的なものまで、多美保さんお気に入りのカトラリーを見せていただきました。
多美保さんが最初に揃えた「クリストフル」のシノンシリーズのカトラリー。使い勝手もよく、値段も手頃なプレイテッドシルバーは、おもてなしの日にも普段の日にも活躍する。Tips1
まず揃えたのは上質なクリストフルのシルバー
多美保さんが、ちゃんとしたカトラリーを揃えようと思った29歳の時。最初に選んだのは、フランスのシルバーウェアの老舗「クリストフル」のシノンシリーズでした。
「クリストフルのカトラリーは、程よい重さがあって持ちやすく、その美しい輝きでテーブルに華やぎをもたらしてくれます。いろいろなデザインのシリーズがありますが、私はカジュアルにもエレガントもに使えるシノンのディナーナイフ、ディナーフォーク、デザートスプーンを6本ずつ揃えました。私流のおもてなしに必要なのは、まずはこの3種類だと考えたんです」
多美保さんは食事をする際の口当たりや使いやすさを考慮して、サイズの大きいディナースプーンではなく、デザートスプーンを選びました。
「今なお、日々愛用しています。30年前に母と初めてパリに旅した時に、母が購入したパールシリーズのケーキフォークやティースプーンや、祖母や母から受け継いだクリュニーシリーズなども現役で活躍してくれていて、シルバーは永遠のものだなと実感しています」