テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。〝生活の中に、美が息づく〟そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
LESSON7
清々しい和のコーディネートで楽しむティータイム
自宅に友人や知人をお招きしやすいのが、昼下がりのティータイム。少し肌寒さを感じる秋は、お湯を沸かしてゆっくりと日本茶を楽しみたくなる季節です。そんなときは、ぜひ和モダンなテーブルコーディネートでおもてなしを。凜と洗練された雰囲気づくりのコツを教えていただきました。
カスタムメイドの三段重や折敷は、中川木工芸比良工房が手がけたもの。滑らかな白木の質感が、テーブルに清々しい趣を作る。
Tips1
重箱をセンターピースに
重箱というと新年や祝い事に使うものというイメージがありますが、コーディネート次第ではもっと幅広いシーンで活躍する優れものです。「和食器の中でもひときわ高さがあるお重は、実はセンターピースに最適なんです」と多美保さん。テーブルの中心に置くだけで華やぎが生まれ、“和”の空気感が広がるのだそう。多美保さんが“通年お重”と呼んで愛用している白木の三段重は、絵柄がなく、削ぎ落とした美しさを感じさせるシンプルなもの。さまざまなコーディネートに調和し、重々しくならずに使えるようにと考えて誂えました。熟練の職人による精緻な逸品は、軽やかでありながらもテーブルの主役にふさわしい風格を放っています。
ちょっとした花あしらいができるよう、重箱の蓋や折敷に窪みをつけた。