第11回
初心者だってきもの旅!
博多織・献上柄を訪ねて福岡へ(3)
<<2日目の記事はこちらまずは気楽に! 初心者流・憧れのきもの旅
献上柄に込められた想いを学んだ
1日目、そして織元さんで博多織が誕生する現場にお邪魔した
2日目を過ごしたE子とA子。
取材ノートが博多織の魅力で埋め尽くされた頃、とうとう最終日の3日目を迎えました。
私たち、前日からそわそわしていました。というのも、きものレンタル「MY-YOUの館」が新たに博多織のレンタルを始めるという噂をキャッチしたのです! これはぜひとも読者の皆様にお伝えせねば、という熱い使命感を胸に抱き、最終日に体験取材をお願いいたしました。
朝9時半、ヘアメイクと着付けがスタート。ちなみにきものは前日に選びました。持っていない色、試してみたかった柄……。どれにしようかあれこれ悩むひと時もまた至福!
こうして着せていただくことで衿の合わせ方や紐を結ぶ強さ、お太鼓の位置など気づくことが多くありました。
きものを着る際にいつも悩んでしまうヘアスタイル。レンタルのオプションにはなりますが、ヘアスタイルまでやっていただけるのはとても嬉しいです。1時間ほどして完成です。「MY-YOUの館」は福岡城址内という好立地。そして季節はちょうど桜が満開の時期でした。
写真では優雅に装っていますが、袂や裾のさばき方に翻弄されっぱなしの私たち……。きものを着る上での所作、もっともっと勉強せねば!博多織は実際に着てみると、まずその歩きやすさに驚きです。縮緬(ちりめん)や綸子(りんず)などのやわらかものより生地にハリがあり、紬よりもしなやかなのです。これなら移動の多い旅の間、ずっと心地よく着ていられそう。それから光沢感。太陽の光に反射していた博多織の美しさは、観光でいらしていた方々にも注目を浴びておりました。
この写真を撮っている時、フォトグラファーの後ろには博多織オーラに引き寄せられた観光客の方々が集まってきてしまいました。ごめんなさい、モデルはE子とA子です……。E子着用のきものは、優しく淡い薄桃色に、唐草紋様が織り出された上品な博多織。同じ淡いトーンの波や雲取文様、唐草文様と共に献上柄も織り上げられた緻密なデザインの袋帯を合わせて。 A子が着用したのは、淡いグリーンの濃淡の格子のきもの。献上柄の地紋が入っているため、とても上品な雰囲気に。大人のおしゃれ着と呼ぶに相応しい一枚でした。ピンクの蔦柄モチーフの綾錦織り八寸名古屋帯とコーディネート。きものが着られるようになると、着る機会はなるべく逃したくありません。ですが旅行となると話は別。長時間の移動やホテルでの身支度のことを考えると尻込みしてしまいます……。でも、初心者だってきもの旅がしたいのです。心配事があるうちは無理せずに気を楽にして、レンタルきものを楽しむことは一つの選択肢かもしれません。和装道具もスーツケースに詰め込まず、身一つでいいのですから。
福岡城址の桜をたっぷりと愛で次の目的地へ。向かった先は承天寺。聖一国師(しょういちこくし)のお寺です。