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きものの文様【雪(ゆき)】夏に雪の文様が使われるのは、日本人ならではのならわし

2020.06.27

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きものの文様 きものに施された美しい「文様」。そこからは、季節の移ろいを敏感に取り入れてきた日本人の感性や、古来の社会のしきたりを読み解くことができます。夏の文様を中心に、通年楽しめるものや格の高い文様まで、きもの好きなら一度は見たことのある文様のいわれやコーディネート例を、短期集中連載で毎日お届けします。記事一覧はこちら

今日の文様27
雪(ゆき)


古来、大雪が降った年の春は、雪解け水が豊富に出るため、稲作が順調で豊作になると信じられていました。『枕草子』には、平安時代の宮中では、大雪の日に庭で歌を詠み、参加した人々に褒美を与えたことが記されています。このように、雪は清らかでめでたい冬の風物とされてきたのです。

こうした雪が文様として使われるようになるのは、室町時代頃からです。当時は冬をイメージするものでしたが、現在は夏にも用いられます。雪によって冬を想像させ、涼感を得るという日本人の感性によるものでしょう。

雪輪(ゆきわ)





雪の結晶を6弁の丸い花のように表した文様です。大きな6つのくぼみがあり、その中に、季節の植物などを詰めたものもあります。植物に積もった雪は春が近づくとともに徐々に消え、残雪はまだらになっていきます。その残雪を斑(はだれ)雪と呼んで春の到来の目安としました。その斑雪を図案化させて雪輪文様が生まれたといわれます。現在は多くのきものや帯に用いられ、浴衣の柄としても人気があります。

雪輪取り(ゆきわどり)




雪輪から展開した文様のひとつで、一般的には文様の区切りに使います。霞(かすみ)取りや雲取り(記事はこちら)と同様に考えます。雪輪文様の大きさや形を自由に変えて文様の区切りに使う方法は、江戸時代から友禅染のきものなどに行われてきました。

雪花(せっか)




雪の結晶の形を花のように文様化したものです。江戸時代後期に雪の結晶が観察されると、雪の結晶を図で示した『雪華図説』が刊行され、さまざまな雪の結晶文様が作られました。


江戸時代の蒔絵の印籠(いんろう)に描かれた雪花文様を写した帯。雪花は金彩で表現されています。

【向く季節】
通年、夏、冬


「#きものの文様」記事一覧はこちら

きものの文様

今回ご紹介した文様を含め、300以上もの文様を掲載。文様の歴史や意味が豊富な写真によってよくわかり、体系的に勉強することができます。きものを着る場合判断に迷う格と季節が表示され、こんな場所にお出かけできます、とのコーディネート例も紹介しています。見ているだけで楽しく役に立つ1冊。
書籍きものの文様
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