「ハート泥棒大賞」を2度受賞、今年も舞台にライブに大活躍している俳優・歌手の
加藤和樹さんの連載が、新たにスタート。〈心・技・体〉を磨くべく、スペシャリストのもとを訪ねます。第1回は日本の心、きもの。初心者にも手軽な夏の定番、浴衣を題材に学びます!
銀座できものをお誂え!?
「撮影や時代ものの舞台で和装の経験はあるんですが、衣装さんに着せてもらったり、早替え用の面テープがついていたり(笑)。いまだに、きもの初心者です」という加藤和樹さん。訪れたのは、銀座もとじが2002年に日本で初めてオープンさせた、男性向けきもの専門店「銀座もとじ 男のきもの」。社長の泉二弘明(もとじ こうめい)さんに、教えていただきました。
和装は最高の男磨き、女磨き
泉二弘明さん(以下、敬称略):きものを着る際にいちばん大事なのは姿勢。背筋がスッと伸びていると着姿も決まりますし、歩き方も堂々としてくる。そうすると自然と中身も伴ってくるものです。
加藤和樹さん(以下、敬称略):わかる気がします。時代ものの舞台で袴姿になると、それだけで身も心も引き締まりますから。和装の女性も凛として見えますよね。
きもの初心者は、まず浴衣から
泉二:ええ。ですから和装は最高の男磨き、女磨きになるんです。着ているうちに、物を取るときに袂を押さえるというふうに、自然と美しい立ち居振る舞いも身につきます。“習うより慣れろ”で、まずは家で浴衣を着て過ごしてみるといいですよ。最初は醤油皿で袖を汚すこともあるでしょうが(笑)、浴衣なら洗えますからね。
加藤:なるほど。やっぱり初心者の入り口としては、浴衣がおすすめですか? というか、そもそも、きものと浴衣は、どう違うんでしょう?
きものと浴衣の違いは?
泉二:浴衣は本来は風呂上がりに着る部屋着のようなものなので、素材は綿がほとんど。下に長襦袢や半襦袢を着ないので半衿がいらず、素足で下駄を履くので足袋もいりません。気軽に着られますよ。
加藤:最近は、花火大会や夏祭りに浴衣で出かける若い人をよく見かけます。着るときには、何を揃えればいいんでしょう?
浴衣を着るのに必要なもの
泉二:浴衣、肌着上下、腰ひも、帯、下駄。あとは、財布や小物を入れる信玄袋(手提げ)もあると便利です。
加藤:僕のように和服に慣れていない人間には、頭からかぶれる和装用の肌着は便利ですね。
泉二:そうですね。うちではオリジナルの肌着も出していますが、ご自分でもっている衿ぐりが大きく開いたVネックTシャツやスパッツ、ステテコでも大丈夫です。
銀座もとじ特製の男性肌着
こちらが銀座もとじオリジナルの男性用肌着。「銀座もとじ 男のきもの」クリエイティブディレクターを務める2代目・泉二啓太さんが、“きものを脱いでもカッコイイ肌着”をコンセプトに手がけたもの。
トルファン綿を使い、滑らかで抜群の肌触りです。流行のオーバーサイズ+長めの七分丈で、浴衣が肌にまとわりつかないのも嬉しい。白、黒、グレーの3色展開。ちなみに加藤さんは「これ、びっくりするほど着心地がいい! 舞台の稽古でも使えそう」と、グレーを即お買い上げ。