紅鳶地に金と琥珀色で更紗唐華文様を描いたあでやかな訪問着。目もとに赤をまとわせ、唇は控えめにバランスをとり柔らかながら凜とした印象に。きもの、帯/はんなり浅草店帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明リング170万円/ウエダジュエラー帝国ホテル店檀れいさん×黒田啓蔵さん
“凜とした印象”と“可愛らしさ”を共存させて
檀れいさん(女優)
宝塚歌劇団月組・星組のトップ娘役として活躍した後、2006年にスクリーンデビュー。映画、テレビドラマ、舞台等で華やかに活躍し、数々の賞を受賞。特技は日本舞踊(花柳流)。黒田啓蔵さん(ヘア&メイクアップ アーティスト)
スリーピース所属。トレンドを取り入れた、一人一人の個性を美しく際立たせるメイク術に定評があり、女優からの信頼も厚い。きもののヘア&メイクに造詣が深く、著書に『女優きもの髪』(小社刊)などがある。「黒田さんのメイクには、一段階も二段階も自分を高めてくれる頼もしさがあります」(檀さん)
──楽しそうな笑い声が続くメイクルーム。十余年のおつきあいになるという、檀れいさんと黒田啓蔵さん。
檀 黒田さんと初めてお会いしたときも、きものの撮影でしたね。確か『細雪』の世界を表現するという企画で。
どんなときも心地よくカメラの前に立たせてくださる心遣いがありがたいです。もちろん、私を一段階も二段階も引き上げてくれるメイクに全幅の信頼を寄せています。
黒田 衣装やシチュエーションに応じていろんなメイクをしますが、檀さんの女優オーラがそれを見事に吸収してくれます。
僕としては、日頃の生活で培われているであろう檀さんの美しい佇まいが見る人に伝わるように意識しています。内なるパワーや綺麗さを引き出したいですね。
檀 可愛らしさや、凜とした強さ。演じてきた女性像はさまざまですが、黒田さんの手にかかると、いつも“いちばんいい表情の私”がそこにいる。黒田さんならではの感性とテクニックが素晴らしいと思います。
「バラ色を取り入れることで檀さんのみずみずしい可愛らしさが際立ちます」(黒田さん)
黒田 檀さんの魅力はみずみずしい可愛らしさ。とてつもない美人だけれど、人を寄せつけない美しさではない。そのチャーミングさを際立たせるコツが、バラ色の肌づくり。
檀 黒田さんのベースメイクには温かな透明感がありますね。
黒田 きものメイクの場合は特に、“赤み”が女性のフレッシュな魅力を引き出してくれるのです。これは家庭画報読者の皆さんにもぜひ取り入れていただきたいポイントです。
成熟世代がきものを着る場合、落ち着きすぎてしまうきらいがありますから、メイクで若々しさのバランスをとることが大切です。
肌だけでなく、目もと、口もとのメイクアップにも赤のニュアンスが効果的。ちょうど今秋は赤がメイクトレンドの1つ。使わない手はありません。