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きものの文様【笹(ささ)】竹と同様に古来からめでたいとされてきた植物文様

2020.07.01

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きものの文様 きものに施された美しい「文様」。そこからは、季節の移ろいを敏感に取り入れてきた日本人の感性や、古来の社会のしきたりを読み解くことができます。夏の文様を中心に、通年楽しめるものや格の高い文様まで、きもの好きなら一度は見たことのある文様のいわれやコーディネート例を、短期集中連載で毎日お届けします。記事一覧はこちら

今日の文様31
笹(ささ)




笹は、竹と同じイネ科の植物ですが、竹ほど背は高くならず、茎もかなり細いのが特徴。竹と同様、めでたい文様として、古くから礼装用のきものや帯に使われています。

笹文(ささもん)



笹の種類は竹よりも多いといわれ、一般的には熊笹や粽笹(ちまきざさ)などが知られています。竹に比べて背が低く茎が細く、青々と繁る葉に特徴があります。文様としてはその印象的な葉を図案化したものが主流になっています。

笹蔓(ささづる)



旅行に
旅先などに持って行くと便利なのが、柔らかく気品のある小紋。笹蔓文様のきものに、宝尽くし文様の織り帯を合わせて格を上げます(宝尽くし文様の記事はこちら)。


中国の明(みん)から伝えられたとされる名物裂(めいぶつぎれ。名物裂文様の記事はこちら)のひとつ、笹蔓緞子(ささづるどんす)をモチーフにしたもの。松毬(まつかさ)と笹の葉、小花を組み合わせた文様です。



やや楕円形の松毬、6弁の小花、蔓性の葉が規則正しく表現されています。小紋柄のきものや帯などに広く用いられます。

雪持ち笹(ゆきもちざさ)



雪持ち笹文様を織りで表現したもの。写真は袋帯で、雪持ち笹と雪の結晶がちりばめられています。

笹の上に雪が積もった様子を文様化したもので、笹文様の代表ともいえます(雪の文様の記事はこちら)。雪の積もり具合はさまざまですが、しなだれて積雪に耐え、雪解けとともに葉を奮い立たせて甦(よみがえ)る様子が、強靭(きょうじん)な精神にたとえられ、この文様が考え出されたといわれます。

【向く季節】
通年、正月、春


「#きものの文様」記事一覧はこちら

きものの文様

今回ご紹介した文様を含め、300以上もの文様を掲載。文様の歴史や意味が豊富な写真によってよくわかり、体系的に勉強することができます。きものを着る場合判断に迷う格と季節が表示され、こんな場所にお出かけできます、とのコーディネート例も紹介しています。見ているだけで楽しく役に立つ1冊。
書籍きものの文様
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