丑年生まれの時代の顔“年男年女”がまとうきもの正月 第1回(全5回)豪華な振袖や粋な羽織袴など、お正月にふさわしいきもの姿で微笑むのは2021年の“年男年女”のみなさん。さらなる飛躍の年の幕開けに、コロナ禍で考えたこと、これからのこと、真摯に語ってくださいました。
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「墨色のきものは初めて。新鮮です」と上戸さんが感嘆したのは、松竹梅と花菱亀甲の訪問着。格調高い袋帯は蜀江華(しょっこうか)文の金綴錦(きんつづれにしき)。きもの/豊中・織元 帯/桝屋髙尾(翠光) 帯揚げ、伊達衿/和小物さくら 帯締め/道明 帯留め/山清堂末廣/井澤屋 髪飾り/かづら清老舗 上戸 彩2000年に女優デビュー。03年の初主演映画『あずみ』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞などを受賞。以降、映画『武士の献立』、ドラマ『半沢直樹』『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』などで多彩な演技を披露している。「生きていれば何とかなる」は
世界中の人々へ届けたい言葉です
前回の年女、24歳のときは「休みなく仕事をしながら、自分のなかのゴールを探していました」と振り返る上戸 彩さん。その後、結婚、出産を経て迎える今回の年女イヤーは、仕事と家庭のバランスを模索しつつも、楽しく幸せな毎日になりそうです。
「仕事も家庭も中途半端は嫌なので、今は育児をしながらでもできるお仕事だけをさせていただいています。最近は下の子も朝まで寝てくれるようになって睡眠不足の日々も終わり、いろいろと落ち着いてきました。5歳になったお姉ちゃんもしっかりしてきて、とても助かっています」。
そういって目を細める上戸さんが2020年の夏に出演したのが、大人気ドラマ『半沢直樹』の続編。再び主人公の妻・花を好演し、巨悪に挑む銀行員を描いたスリリングな群像劇に「癒やし」をもたらしました。その花がひときわ光ったのが、ドラマの最終回。窮地に陥った夫・直樹に花がかけた「生きていれば何とかなる」という言葉は、「沁みる」「泣けた」と大きな反響を呼びました。
「あのセリフは私も胸を打たれたので、すごく心を込めていえました。反響が大きかったのは、命というものに向き合ったことのある人、今まさに向き合っているという人がたくさんいるからじゃないでしょうか。『生きていれば何とかなる』は日本中、いえ、世界中の人々へ届けたい言葉です」。
上戸さんの目下の願いは、子どもたちにマスクのない生活をさせてあげること。「自分自身は構わないんです。でも、幼稚園で子どもたちがみんなマスクをしているのを見ると、かわいそうで。こういう生活が早く終わって、誰もが安心してコミュニケーションを取れる世の中に戻ってほしいです」。ドラマの花ちゃんさながらに、優しくまっすぐで、家族思いな上戸さんでした。
〔特集〕丑年生まれの時代の顔“年男年女”がまとうきもの正月(全5回)
撮影/鍋島徳恭 ヘア&メイク/中谷圭子〈AVGVST〉 着付け/小田桐はるみ きものコーディネート/相澤慶子 取材・文/清水千佳子 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。