ミュージカルを中心に、いまや引っ張りだこの加藤さん。今年アーティストデビュー15周年を迎えた。今回の“会いたい人”は加藤和樹さん。9月に日本版が初上演されるミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』に、なんと二役で出演します。作品のモチーフは、19世紀末の英国ロンドンを震撼させた連続猟奇殺人事件。加藤さんが回替わりで演じるのは、心に傷を抱えた刑事アンダーソン(松下優也さんとのWキャスト)と、“ジャック・ザ・リッパ-(切り裂きジャック)”と呼ばれる殺人鬼(堂珍嘉邦さんとのWキャスト)です。さて、家庭画報.comでの連載企画も大好評だった加藤さんは、今回どんな一面を見せてくれるのでしょう? たっぷりと伺いました!
――チェコ共和国で創作されたミュージカルに、韓国で独自のアレンジが加えられ、人気演目となった本作品。加藤さんは何年か前に韓国でご覧になったそうですね。「はい、2019年に、韓国での『ジャック・ザ・リッパー』10周年記念公演を観ています。そのときは、まさか自分がやることになるとは思っていなかったので、単純に一観客として、キャストの歌声の凄さに圧倒されたのを覚えています。演出をはじめ、ミュージカル『フランケンシュタイン』のクリエイティブチームが手がけた作品ということで、『フランケンシュタイン』と重なるものも感じましたね。全体的にダークな雰囲気とか、雷の演出や時間軸を行ったり来たりするところ、あとは台詞(せりふ)やテーマにも、共通するものがあるなと」
――アンダーソンとジャックの二役で出演が決まったときは、どう思われましたか?「嬉しかったです。自分が観ていた作品ですし、韓国ミュージカルとの縁を感じました。大変そうだなとも思いましたけど、回替わりでの二役はミュージカル『マタ・ハリ』の初演(2018年)で経験しているので、大丈夫かなと。『マタ・ハリ』では、自分が演じる二役が一緒に出ているシーンが多くて、2人で歌う曲もあったので、最初は結構こんがらがってしまったんですが、今回それはないですし。日本語の台本を読みながら、“韓国で観たときによくわからなかったあのシーンは、こういうことだったのか”と、今さらながらに思ったりしています」