2021年だけで、すでに4本の出演映画が公開されている。現在『CUBE 一度入ったら、最後』が公開中。11月19日には主演映画『聖地X』が公開予定だ。今回の“会いたい人”は岡田将生さん。今年、連続ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の中村慎森役などで話題を呼び、出演映画の公開も相次いでいます。12月には、テネシー・ウィリアムズの出世作となった4人芝居『ガラスの動物園』に出演。1930年代の米国セントルイスにあるアパートの一室で、過去の華やかな日々に固執する母、内気で繊細な姉とともに暮らした日々を追想する、主人公トムを演じます。さて、その胸の内は……?
――初演から70年以上たった今も様々な国で上演され続けている『ガラスの動物園』。岡田さんと作品との出合いは、どのようなものでしたか?「僕は『ガラスの動物園』の舞台や映画は観ていなかったのですが、前にテネシー・ウィリアムズの別の戯曲を読んだことはあって、ぼんやりとは知っていました。初めてこの作品の戯曲を読んだのは2年前、『ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~』という舞台の大阪公演が終わって、東京に帰る新幹線の中です。スタッフさんに“これ読んでみてよ”と渡されて、読み始めたら一気に読めてしまって。その1か月後くらいに今回のお話をいただいたので、これはもう運命だな、やるしかないなと。今思うと、スタッフさんの仕込みだったんでしょうけど、そのときからトムという役に魅力を感じていたので、出合いとしては良かった気がしますね(笑)」
――今回の演出も、『ブラッケン・ムーア~』を手がけた演出家・上村聡史さんですね。「また一緒に作品づくりができたらと思っていた上村さんが、もう一度声をかけてくださって、しかも選ばれた作品が『ガラスの動物園』ということで、すごくやりがいを感じています。たくさんの人に愛されている名作だけに、プレッシャーもありますが、しっかり向き合っていきたいです」
――『ブラッケン・ムーア~』の稽古では、どんなことが印象に残っていますか?「稽古が始まって1週間くらい、座って台本の読み合わせだったんですが、そこで作品やそれぞれの役について、みんなで話をしたことが印象的でした。いろいろな視点で台本を捉えて、それを全員で理解することも面白かったし、そうすることで、役柄や芝居の幅がすごく広がっていった実感がありました。上村さんは、わざと意地悪な言い方で演出するところがあって、僕は“ドS”な方だと思っているんですが(笑)、そういうところも含めてすごく信頼しています。僕のことをわかったうえで、違った角度からアドバイスをくれたり、発破を掛けてくださるので」