俳優の古川雄輝さんが、日韓合作映画『風の色』に出演します。恋愛映画の名手、クァク・ジェヨン監督が北海道・知床と東京を舞台につくり上げた、幻想的かつミステリアスなラブストーリー。劇中で華麗なマジックも披露している古川雄輝さん、その素顔に迫ります。
──3年以上前になるかと思いますが、映画『風の色』のオファーがあったときは、どんな風に思われましたか?
「純粋に嬉しかったですね。主演ということ、クァク・ジェヨン監督(『猟奇的な彼女』などのヒット作で知られる韓国の映画監督)の作品で日韓合作。日本人の俳優の誰もができることではありませんので」
──古川さんは1人二役でマジシャンという役柄。役作りが大変だったのではないでしょうか?
「1人二役については、それほど変化をつける必要がなかったので、あまり大変ではありませんでした。でも、マジックは撮影直前までどれを撮るのかわからなかったので大変でした。もちろん事前に練習はしていましたが、現場でどのマジックを撮るかわかるのはいつも直前。毎回大体20分練習したらすぐ本番、でした」
──そんな状況でありながら、マジックはどれも見事でした。もともと手先は器用なのですか?
「そんなこともないと思うんですけどね。やるしかない状況だったんで、撮影の合間やオフの日もずっと練習をして、必死でやりました。ですから、大がかりなマジックはもちろん、こまかいマジック一つ一つも注目してほしいです。そうそう、ひとついっておきたいのが、映画に出てくる氷水は本物で、すごく冷たいということ。普通は本物は使わないものなんですけど、なぜ監督は本物にしたんでしょうね?(苦笑)」
──伺っていると、クァク・ジェヨン監督の現場はなかなかハードそうですね。
「夕陽がきれいだから撮ろう!とか、ここは泣いたほうがいいな、じゃあ本番泣いちゃおう!といった思いつきが多い監督で、しかも説明がないんです。一番戸惑ったのが、僕と藤井さん(ヒロインを演じた藤井武美さん)がセリフを逆さまに2倍速で言って、あとで逆再生してセリフをアフレコする・・・・・・という手の込んだ方法で撮った回想シーンのとき。そういった説明なしに現場で急に『逆から2倍速で!』と言われたときは、藤井さんと顔を見合わせました」