獣医師考案の長生き犬ごはん！ 手軽に作れる、鶏むね肉のメインと冬野菜のスープ

なぜ一汁一菜なの？ 与え方のポイント

「一汁一菜」は、おかずと汁物をセットにした栄養バランスのよい食事。「犬のごはんに一汁一菜！？」と驚くなかれ。あえて主菜と汁物を分けて出してあげることで早食いを防ぎ、寒い季節でも食事から無理なく水分を摂れるから、ワンコの身体にとっても優しい食事法なんです。
調理の前に、与え方のポイントを押さえましょう。

●消化に負担のかかる野菜などは細かくする

野菜やお肉などは、必ずワンコが食べやすいサイズに切ってあげることが大事です。レシピの写真ではあえて崩したり切ったりせずに紹介していますが、そのまま与えてしまうと、消化不良を起こしてしまったり、丸飲みすることでのどに詰まらせてしまうことも考えられます。

●与え方は、〈一菜→一汁〉で
基本の食べ方は 一菜を与えてから、一汁を与えましょう。一汁から与えてしまうと、胃液が薄まる可能性もあります。熱い料理は人肌程度にして与えてください。

●レシピの食材の分量は5㎏の小型犬の1日の摂取カロリー
一汁と一菜でカロリーを計算しているため、どちらか片方しか作らないとなると正しいカロリー摂取ができません。「一汁一菜」のセットで摂取することをおすすめします。

●食事の割合（本書５kgのワンコを１とした場合）


上の表のバランスやレシピのグラム数はあくまでも「目安」です。 犬によって胃の許容量や消化能力、運動レベルなどで食事のバランスや食べる量が変わります。

レシピの料理を与える場合、まずは目安量の6～7割程度から始めて、体調や体重、血液検査の変化などを見ながら、徐々に量を増減してください。

逆に運動量の多い成犬は、全体を1.2倍にしてもOK。ドライフードやウェットフードと併用する場合には、減らした分の半分くらいの量をトッピングしてあげてください、トータルでバランスが取れていればOK！

 

味付けすれば自分や家族の食事に!

取り分けて味付けをすれば人間も美味しく食べられます。愛犬とごはんをシェアしつつ、家族みんなで健康に！

●ワンコの摂取カロリーを計算してから調理を
ワンコと飼い主さんのペアレシピとして使う場合は、 ワンコの摂取カロリーを計算した上で飼い主さんの分を作りましょう。

●ワンコに与えてはいけない食材に注意！
食材の中には、ワンコが食べると中毒などを引き起こしてしまう危険な食材があります。玉ねぎやにんにくなど犬に与えてはいけない食材を入れる場合は、 必ずワンコの分を取り分けてから加えて、調理しましょう。

※一汁一菜犬ごはんの詳細、犬種ごとに適した食事や積極的にとりたい栄養素については、発売中の書籍『獣医師が考案した一汁一菜長生き犬ごはん』をご覧ください。

 

〔冬の一汁一菜犬ごはん〕
鶏肉のパリパリ焼きとスクランブルエッグ＆カリフラワーとブロッコリーのお汁

鶏肉のパリパリ焼きとスクランブルエッグは、ご飯とよく混ぜ合わせてから与えましょう。
1日2食（犬＝5㎏の場合）399 kcal


左・鶏肉のパリパリ焼きとスクランブルエッグの材料。右・カリフラワーとブロッコリーのお汁の材料。

一菜「鶏肉のパリパリ焼きとスクランブルエッグ」のレシピ

【材料】
ほうれん草 30g
赤パプリカ 15g
鶏むね肉（皮つきのブロック）110ｇ
溶き卵 1/2個分
ご飯 60g

【作り方】
1．下ゆでしたほうれん草、赤パプリカはみじん切りにする。
2．鶏むね肉の皮面が下になるようにフライパンに入れ、弱火でじっくり焼く。火が通ったらそぎ切りにする。
3．2のフライパンに1のほうれん草、赤パプリカを入れて炒め、火が通ったら溶き卵を流し入れて混ぜる。卵が半熟になったら鶏むね肉と盛りつけて完成。

一汁「カリフラワーとブロッコリーのお汁」のレシピ

【材料】
カリフラワー 30g
ブロッコリー 30g
昆布だし汁※ 250ml
※鍋に水と昆布（水1リットルに対し昆布10g）を入れ、昆布のうまみをスムーズに引き出すため火にかける前に30分ほどつけておく。鍋を中火より少し弱いくらいの火にかけ、10分くらいゆっくり沸騰直前まで加熱する。

【作り方】
1．カリフラワー、ブロッコリーは細かく刻む。

2．鍋に昆布だし汁を入れ、沸騰したら1を入れ、具材が柔らかくなったら完成。

自分や家族のごはんにアレンジ

「鶏肉のパリパリ焼きとスクランブルエッグ」は塩・こしょうで味つけし、食べるときにマスタードを添えて。「カリフラワーとブロッコリーのお汁」は塩・こしょうで味つけを。