2011年3月11日から5年目にして、宮城県で撮影された『生きる街』
2016年11月。映画『生きる街』の撮影が宮城県石巻市で行われました。「5年目にして……」と思ったというのは、主演を務めた夏木マリさん。本作が、じつに約10年ぶりの主演作となりました。先ほどの言葉に続くのは、「みんなが忘れかけていた頃に、こういう映画を観ていただくのはとてもいいと思って」。
2011年3月11日。東北地方太平洋沖地震が発生し、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました。映画が撮影された石巻市でも、地震による津波や家屋倒壊で約3200人が死亡。424人が行方不明のままです(2017年12月末現在)。あれから間もなく7年。当時と同じ熱量で被災地に今も心を寄せる人はどれくらいいるでしょう……。
スクリーンに映し出される、家族が暮らした家があった場所。家の基礎立ち上がりだけが残るそこには草が伸び、その高さが震災からの時の流れを感じさせます。それでも、津波に流された夫がいつか戻ってくると信じる妻。そんな妻・千恵子を夏木さんが演じます。