変わらぬ透明感とキュートな笑顔が本当に魅力的。ヘンリック・イプセンの『人形の家』といえば、弁護士の夫と子ども達に囲まれて何不自由なく暮らしていたノラが、ある出来事を機に自分の在り方に疑問を持ち、一人の人間として自立すべく家を出る……という物語。大胆にも、140年前に書かれたこの名作の“その後”を描いた米国の新進劇作家ルーカス・ナスのヒット作『人形の家 Part2』が、日本初上演されます。わけあって15年ぶりに家に帰るノラ役を務めるのは、永作博美さん。作品の魅力と変わらぬキュートな素顔に迫ります!
――『人形の家 Part2』のオファーを聞いたときは、どう思われましたか?「まず、びっくりしました。『人形の家』の舞台自体は観たことがないんですが、どういう内容かは知っていたので、あの物語の続きが読めるの!? そんな作品を書いた人がいるんだ! と。ノラは何のために帰って来るんだろう? どんな顔をして家族と会うんだろう?と思いながら、喜んで戯曲を読ませてもらったらあまりにも面白くて、これ、私がやってもいいんですか? という感じでお受けしました」
――面白さを感じたのはどんなところですか?「ノラ、夫、娘、乳母……登場人物それぞれが、自分の言い訳をとことんしているんです。でも、なるほど、それはそうだなと納得させられたり、その手があったか! と思うところもあって、今の時代を生きている私が読んでも、違和感なくすんなりと引き込まれました。会話の緩急もはっきりしていて、これを若い男性が書いているというのがまた面白いというか、すごいなと思いましたね」