高い技術力と華を兼ね備えた新国立劇場バレエ団のトップダンサー。ほぼすべての作品で主役を踊っている。今回の“会いたい人”はバレエダンサーの福岡雄大さん。ほぼすべての作品で主役を務める、新国立劇場バレエ団の“顔”とも言うべきプリンシパルです。2019/2020シーズンのオープニングプログラム『ロメオとジュリエット』では、自身にとって3度目となるロメオを踊ります!
――10月に上演される2019/2020シーズンの開幕作品『ロメオとジュリエット』。シェイクスピアの名作悲劇をバレエ化したこの作品の魅力をどんなふうに感じていますか?
「家同士が敵対しているロメオとジュリエットが、許されない恋に落ち……という皆さんよくご存じの物語を、20世紀の偉大な振付家マクミランが、これでもか!というくらい濃密なバレエ表現に昇華させているところが魅力だと思います。その分、踊る側にとっては恐ろしくハードで、初めて踊った頃は、1幕で酸欠になったり、2幕で足がつったり、体が全然動かなくなったり。それでも本番は続いていくので、精神的にもギリギリの状態でした。そうならないように、2回目のときはしっかり栄養を摂って体づくりをして臨みました」
――非常にドラマチックで心を動かされるケネス・マクミランの振り付けは、やはりそんなに大変なのですね。3回目の今回は、どう臨もうと思っていますか?
「濃厚なドラマを演じるために、ロメオの人となりや感情を自分の感情にすり合わせて、ロメオという人物になりたいと思っています。喜怒哀楽がとても激しい役だけに、やりすぎるとかえってお客さまに伝わりにくくなってしまうことも過去2回の公演で学んだので、やりすぎないほうがいいところは見極めて臨みたいです。最近は音楽がかかると自然と役のスイッチが入るようになってきたので、時に冷静でありつつというのは逆に難しいことではあるんですが」