2019年7月期のドラマ『偽装不倫』でフリーカメラマンの伴野 丈役を演じ、注目を集めた宮沢氷魚さん。本作が映画初主演作となる。周囲に助けを求めない。そんなところは役と似ているような気がする
『愛がなんだ』や『アイネクライネナハトムジーク』などを手がけ、恋愛映画の旗手として注目される今泉力哉監督が新たに挑んだのは、かつて恋人同士だった男性2人の再会から始まる映画『his』。8年前、突然恋人に別れを告げられた井川 迅を宮沢氷魚さんが演じています。ゲイであることを知られないよう、東京の会社を辞めて田舎に移住し、自給自足の生活を送る迅は、「どことなく自分と似ているような気がした」という宮沢さん。
「自分に正直になりきれない部分だったり、悩んでいることとかも自分の中に留めて自分で解決するタイプだったり。僕も、あまり周りに助けを求めて、悩みとかも相談して助けてもらおうっていうタイプではないなと。でも、いろいろなことをセンシティブに感じて、思うことがたくさんある人間だなというのは、最初に脚本を読んだときの率直な迅の印象ですね。実際に演じ始めてからも、ベースは変わらないですけど、自分が想像していたよりも、さらに繊細というか、いい意味で弱さがたくさんあるというか。弱みがたくさんあるからこそ、より一層人間らしいなと思いました」