アーティスティックな堀内さんの公式プロフィール写真。実は、優しくチャーミングな笑顔の持ち主だ。©Masayuki Ichinose熊川哲也さん率いるKバレエ カンパニーが、10月に熊川版『海賊』を上演します。コロナ禍で5月から公演が延期になっていた、Kバレエ屈指の人気作です。本作品に海賊の首領コンラッド役で出演するのが、注目のダンサー堀内將平さん。その素顔を作品の魅力とともにお届けします!
――熊川さん独自の物語性とセンスで、単なる冒険活劇以上の作品になっている『海賊』。男性ダンサーたちのダイナミックな踊りも存分に味わえて、Kバレエの代表作の一つとなっていますね。
「僕も、Kバレエにいちばん合っている演目の一つなのかなと感じています。海外でもいろいろなバージョンが上演されているんですが、熊川版は楽しいところや華やかなところ、ぐっとくるところが凝縮されていて、エンターテインメント性が高い。男性ダンサーたちが活躍できる作品でもあるので、僕自身、初めてバレエを観る方にはいつも『海賊』をおすすめしているんです」
――堀内さんが演じるコンラッドは、船が遭難して漂着した浜辺で美しい娘メドーラに助けられ、恋に落ちる海賊の首領。さらわれたメドーラを奪還するために、配下のアリたちと奴隷商人のもとへ向かいます。どう演じたいですか?
「正義感や人望があるとはいえ、海賊の首領なので、ワイルドな部分も出していきたいです。実は、3月に踊ることになっていた『トリプル・ビル2020』のプティ振付『若者と死』の稽古で、熊川芸術監督に“ちょっと優しすぎる”と言われたことがあったんです。コンラッドも優しいだけじゃできない役。もっと表現の幅を広げて、力強い部分もしっかり出せるように取り組んできたことを、この機会に出せればと思っています。バレエ以外の作品……たとえば海外の映画とか、古いサイレント映画も観ながら、ヒントを探すつもりです。ボディランゲージの度合いが日本人のジェスチャーとは全然違うので、勉強になります」