飼い主だけに見せる表情を撮ろう
野村流〈動物を美しく撮る〉写真術
愛するペットを撮影して公開する人たちも増えてきました。カメラマニアとして知られ、長年にわたって動物たちにレンズを向けてきた野村先生からの撮影アドバイスです。
作例/野村潤一郎カメラマニアあるいはカメラコレクターとしてカメラ雑誌にもたびたび登場する野村先生。診療の合間に、自分の飼育動物の姿を撮影し、ブログなどでも公開しています。
この特集の飼い主さん自身による撮影もそうですが、昨今はスマホでの撮影が主流で、しかもカメラの性能がみるみる上がって、スマホ任せでもきれいな写真が撮れるようになりました。
「科学する眼」で「飼い主と動物との関係」を写し込む野村流の撮影テクニックを教わりました。
ペットと飼い主が同じ方向を向く
写真は野村先生と愛犬“ビクター”ペットと飼い主が一緒の記念写真は、2人ともカメラ目線か、あるいは向き合い見つめ合っているような構図が多い。
でも、ある同じ方向を飼い主とペットが見つめるとそれとは別の両者の関係が出てくる。同じ未来を信じ、深い絆に結ばれた飼い主とペットという関係だ。
正面写真のピントは目に
愛犬、愛猫の顔のアップの写真は撮れると面白いが、ピントが鼻に合ってしまっている惜しい写真もよくある。ピントは基本的に目に合わせるのが動物を撮る時の鉄則。
前後をぼかすと目が強調され、知性と生命力を感じさせる力強い写真となる。
節目を残す成長記録を撮る
新しい子が家族に加わった時は、成長の節目節目を家族写真として写真に残そう。
生後40日生後2か月生後まもなく初めて会った時の不安そうな表情から、断耳を経て耳がキリリと立ち精悍な顔立ちに。
生後4か月生後6か月初めて泳ぎを覚えたプールのイベントなどわが子の成長記録は並べると楽しい。
猫は暗がりで撮る
猫の瞳は美しい。しかし明るいところで撮影すると瞳孔は下の写真のように縦に細くなる。
明るいところで撮影した猫それはそれで猫らしい目ではあるのだが、本来の目の美しさを表現するなら、薄暗がりで撮影するとおめめパッチリの愛らしい瞳となる。
横向きがアイコンタクト
人や犬猫は凝視する時、真正面から見つめるが、鳥やトカゲが凝視する時は片目で見ている。
だからこのサイチョウとミズオオトカゲはそっぽを向いているのではなくこちらを見つめている。長年つきあった飼い主だけに見せる信頼の眼差しなのだ。
魚も横から撮ると美しさが強調される。
動物の特徴的な行動を狙う
爬虫類は個々に環境に適応した特徴が顕著で、そこを強調するとその子らしい表情が撮れる。
上のハラガケガメは、カメは本来嘴くちばしで食事するので牙がないのだが、嘴の形状が牙状に変化している。
カタツムリを食べるカイマンリザードカイマンリザードはカタツムリしか食べない。冷凍の高級エスカルゴをパクリ。
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