「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」で2人が出会ったのは1984年。退団後の1994年に「地球ゴージャス」を結成。以降1~2年ごとにプロデュース作品を上演している。岸谷五朗さんと寺脇康文さんの演劇ユニット「地球ゴージャス」が、メリル・ストリープら豪華キャストで映像化もされた話題のミュージカル『The PROM』に挑みます。アメリカの高校で卒業生のために開かれるダンスパーティ“プロム”を題材にした、華やかでハッピーでメッセージ性のある作品です。岸谷さんと寺脇さんに、作品への思いなどを伺いました。
――2018年にブロードウェイで開幕し、翌年トニー賞7部門にノミネートされたミュージカル『The PROM』。岸谷さんはいつご覧になったのですか?岸谷さん(以下、岸谷)「2019年です。ほかにもトニー賞ノミネート作品をいろいろ観たんですが、以前『キンキーブーツ』を観たときと同じように、これは日本のお客さんに観てほしいなと思ったのが『The PROM』でした。アメリカのハイスクールを舞台にした物語なのに、パワフルな中年男女がストーリーを運んでいく面白いつくりになっていて、これはもう、地球ゴージャスで挑戦したいと。寺ちゃんの賛同も早かったよね」
寺脇さん(以下、寺脇)「“やろうよ、それ!”って即答でした。地球ゴージャスでは基本的にオリジナル作品をやってきましたけれども、あの『キンキーブーツ』の成功を見抜いた男が、“絶対に日本の人に好んでもらえると思うんだよね”と言うからには間違いない。ちょうど僕も、昨年結成25周年を迎えた地球ゴージャスに、ここで新しい風を吹き込むのもいいかもしれないなと漠然と考えていたんです。何かまた新しいことにチャレンジする時期にきているのかなと」
――ご自身が演じるトレント役については、どう思われましたか?寺脇「観てすぐに納得しました。これが、五朗ちゃんが俺に合うと思うと言っていたトレントか!と。しかもこのトレントというのが、生きる上ですごく根本的で大切なことを、言い争いが起きそうなときにピシッと言う男。演じていても非常に楽しくて、すっかり好きになりました。おかげで毎日、すごくいい精神状態です(笑)」