父・芝翫さんにも、母・三田寛子さんにもよく似た、優しく端正な面立ちの橋之助さん。日本舞踊の継承と革新(Succesion And Innovation=SAI)を目的に、昨年立ち上げられた日本舞踊 未来座。その第2回公演に歌舞伎俳優の中村橋之助さんが出演します。今回は“裁”をキーワードに、オペラでおなじみの『カルメン』を題材とした創作舞踊をソル組とルナ組というWキャストで上演。新境地に挑む橋之助さんの意気込みや、いかに?
――『カルメン2018』で歌舞伎以外の公演に初挑戦する橋之助さん。オファーを聞いた時はどう思われましたか?
「嬉しくて、すぐに『ぜひやらせてください』とお返事しました。日本舞踊をこれからもっと広げていくための大切な公演に声をかけていただいて、すごくありがたかったですし、自分もその一助になれたら本当に嬉しいです。音楽はもちろん、お話もよく知られている『カルメン』は、きっとお客様にとっても親しみのある題材。普段、歌舞伎座でご覧になるような古典舞踊と比べても、わかりやすく観ていたただけるのではと思います」
――演じるのは、若手・ソル組のホセですね。
「ぼたんのお姉様(市川海老蔵さんの妹・市川ぼたんさん)のカルメンとご一緒させていただけるのが、とても楽しみです。演出の(花柳)輔太朗さんに、日本舞踊の基礎がきちんと見えるようなテイストの踊りがいいんでしょうか?とお聞きしたら、『そういうことではなく、橋之助さんの踊りで来てください』と言ってくださったので、自分らしさも出していけたらと思っています。自分が今持っているもの、得意としているところを伸ばして、それがルナ組とはまた違う若さやフレッシュさを持ったソル組の、一つのコアになったらなと。しっかりやりたいです」